父を泣かせたリリーと私
今日も大きな地震があった。仕事をしていた時にあったのだけど、会社のある東京23区も実家のある千葉も震度4強。結構な揺れを感じたので、お昼休みに実家に電話をかけて両親とおうちの無事を確認した。お盆休み中の母が出て、特に問題ないとのこと。ほっとしてちょっと気になっていたことを質問。
先日私は、自分が号泣したリリー・フランキー著「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」を何の連絡もなしに父に送りつけた。到着日には父から「ありがとう 本着きました 早速読み始めました」とメールがあったのだけど(どうやら句読点の打ち方がわからないらしい……)、その後一切音沙汰がなかったので、途中で読むの止めちゃったのかなぁと気になっていたのだ。
それで今日の電話で、母に「お父さん本読んだかなぁ、きちんと読んでおくように言っておいてね」と言ってみたら、「もう読んだわよ」と返ってきた。おぉ!読んでくれたのかぁと嬉しくなって「泣けたかなぁ」って尋ねたら、「350ページから泣けたって言ってた」と母。ってどこ?さらに「今おばさんに貸してる」んだそう。おばさんとは近くに住む母のお姉さんで、私の伯母。父にとっても人に薦めたい本になったらしいことが、なんだか妙に嬉しい。伯母も泣くだろうな。
本を送ろうと思ったのは、仕事を引退した父へ「読書のすすめ」というねらい。毎日スポーツクラブに通っているようだけど、とはいえ仕事をしていた時に比べれば時間をもてあましているようなので、いろんな刺激を与えてできるだけ文化的な楽しみを見つけてもらいたいという小生意気な娘心。
あとは単純に、この本はぜひ今の父に読んでもらいたいと感じたから。仕事を終えた今、ゆったりこれまでの人生を振り返ってみたり、生き生きとした気持ちで今後のことを考えるのに最適なプレゼントなんじゃないかなって感じたのだ。私にはできないけど、リリー・フランキーさんならやってくれる……。まだ父の1/2しか生きていない私でも、父からもらったかけがえのない思い出をたくさん再発見することができた。父が読めば、私が感じた倍以上の何かを味わえるに違いない、そう思った。
本の表紙にはぶっきらぼうなポストイット。「自分の中にこんなにたくさん家族の思い出があったのかと驚きました。お父さんも子供の頃のことなど回想しながら、ぜひ読んでみてください。いい話でした。」いつもぶっきらぼうな娘なので、ポストイットには精一杯の愛を込めて……。
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