本屋大賞
昨日今日の2日間で342ページの小説を読み終えた。読むのが遅い私には快挙である。作品は恩田陸さんの「夜のピクニック」。残りのページが減っていくにつれ、読み終えてしまうのがもったいない!という気にさせられるとても素敵な作品だった。
本屋でこの本を手にしたのは「2005年本屋大賞受賞」という帯がついていたから。この「本屋大賞」って、ネーミングだけで絶大な信頼をおいてしまいたくなる……のは私だけだろうか。文学音痴の私には、直木賞や芥川賞よりも断然本屋大賞の方が胸に直接訴えかけてくるものがある。
ちなみに本屋大賞とは、全国の書店員が「読んで面白かった」「もっと売りたい」と思った本を投票で選ぶ賞。今回は、231書店、269人の書店員が参加して投票を行ったとのこと。文学に精通していて、読者の側に立った本の魅力を心で知っていて、仕事経験によって広く読者に愛されるであろう作品のタイプも熟知していて、その上「みんなに素敵な本を読んでもらいたい!」と切望して日々お仕事している本屋さんのお薦めとなれば、こりゃ買うしかない。
批評家や評論家は個として立つものだから、その人個人のコメントに力がある一方で、批評家269人の票を集めて何かの一番を決めても、あまり心惹かれる結果が残らない気がする。というか、それぞれの個性が強くてものすごく票が割れるんではないかな。対して、本屋さんの票というのは、ものすごく素朴で、奇をてらっていなくて、読者の心にフィットする本当に良いものを教えてくれそうな気配がある。私の勝手なイメージに過ぎないけれど。
というわけで、本屋大賞の受賞作は来年も再来年も必ず読むことでしょう。1回目、2回目のノミネート作品を一つずつ読んでいくのもいいなぁと思う。それで一年の読書が終わってしまっても悔いはないだろう。作品はこちらに。
こういう賞はもっといろんな分野にあるといい。「○○が選ぶ、もっと売りたい□□」。消費者に商品を手渡している店員さんが選ぶ逸品。きっと売れるよ。私は買うよ。□□に興味があれば。
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