水の輪廻転生を願って
日曜日の昨日は朝から雪もちらつき、終日ひどい寒さだった。外から帰ってくると、すっかり冷えてしまった体をとにかく温めようとお風呂へ直行。ちゃぽんと湯船につかりつつ読書。その後お風呂から上がって、歯をみがいたり顔を洗ったり。この辺りで確か9時をまわっていたはず。それから部屋の中で縮こまって、音楽を聴いたり溜め込んでいたあれこれをやって、そのまま就寝。
そして今朝。なぁんかゴトゴト音がするなぁと思いつつ寝ぼけまなこで洗面所の扉を開けてみたら、目の前に恐ろしい光景が。蛇口から洗面台に向かって水が流れ続けている。それもダダダーッと一直線にたいそう勢いよく。
うわぁーっと思って、「ごっ…ごめんなさいっ!」と口をついて出たものの、蛇口に謝っても誰も許してくれない。蛇口だって、もうとっくに怒りを通り越して、あきれ果てるに留まらず全身疲れ果てて、アンタにかける言葉などないわ、といったふうだった。
そりゃ、そうだよね。私が眠りついていた6~7時間に加え、昨晩お風呂からあがってきてから2~3時間起きていた間もずっと、あなたの働きに一切気づかずにいたのだから。
そして、申し訳ない相手はもちろん蛇口だけに留まらない。蛇口の先に、世の中のいろんな人が映し出されていって、水をきれいにしてくれている人や水に困っている人、水を大切にしている人たちに、もうなんて言っていいのやら。はぁ。ごめんなさい。…としか言いようがない。
また誰の目に触れることもなく、蛇口から20~30cmの間の短い生を終えていってしまった10時間の水たちに、心からお詫び申し上げます。もう二度とこんな思いはさせませんので、どうかまた生まれ変わってきてください。
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