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2016-01-15

人の性格をタイプで語るうさんくささ

先日、人の依頼を受けて久しぶりにMBTIのフィードバック・カウンセリングを行った。MBTIについては以前こちらに概要をまとめているけれども、一言でいえば「ユングが提唱した心理学的タイプ論に基づく性格検査」ということになる(いかつい)。

性格検査といっても、検査単体ではMBTIとしての体をなさず、検査結果をきっかけにして自己洞察を深めるセッション(有資格者のサポートをFace to Faceで受けながら、自分でタイプ検証を行う)まで行って、はじめてMBTIの構造が成り立つ。Web上で検査だけ受けて「当たってる/当たってない」で終わってしまうと、それはMBTIの中核部分が抜け落ちた状態と言える。MBTIは性格検査というより、人の理解を深めるためのメソッドといったほうが適切なものだ。

…なんてくどくど語ると、“たかがツール”に心酔した有資格者の盲目的発言に聞こえて、うさんくささを覚えるかもしれない。

私ももともと「MBTIがいつでも誰にでも役立つからみんなやるべき!」とは思っていないので(まともな有資格者は、そんなこと言わないが)、先述したページに概要・案内をまとめて以降は、依頼があった際にお引き受けするにとどめている(まともな有資格者なら、そこまで控えめにすべきと考えているわけじゃない)。安易に方々でしゃべっても、有用性よりはうさんくささのほうが先に立つだろうなぁという思いがあって、話題をふられないかぎり人に話すことはしていない(臆病ともいう)。

かといって、全然使えないメソッドだと思っているわけでももちろんなくて、非常に有意義なものだと内々には思っている。そんな立場から、この「うさんくささ」について、ちょっと考えてみたい。

人の性格や資質からタイプ(類型)を見出そうという試みは古くからあるらしいのだけど、こうしたものにふれて、まず人の頭に思い浮かぶ一般的な抵抗は、「世の中いろんな人がいて、それこそが素晴らしいのに、多種多様な個別の人間をたかだか何個か何十個かに分類するなんて無理だし、不毛だ。専門づらして、人間を物のように扱うな」という反応じゃないかと思う。

その一方で、こうした性格タイプ論なりメソッドなり診断ツールなりを前にすると、これに関心を示す気持ちも生じるのが人の常だ。自分のことをより深く知りたいという気持ちはたいていの人にあり、SNSで自己診断ツールの類がよく流行るのは、その表れである。

つまりは、一人の人間のうちには「不毛だ」と「興味あり」のアンビバレントな(相反する)感情が生じていて、そのどちらを本人が意識するか、表に出すかが人によって違うだけなのかもしれない。

ここでは、そのうち前者の「不毛だ、馬鹿馬鹿しい」という気持ちにフォーカスして考えてみたい。というのは、そこには一つ、性格タイプ論に対する誤解があると思うからだ。

人の性格タイプ(類型)論を説く人も馬鹿じゃない、というか、その道の専門家だ。一般の人がぱっと思いつく疑念などは、最初のうちに検討済みである。つまり、個々人がそれぞれにユニークな存在であるということは当たり前とした上での、タイプ論なのだ。少なくともMBTIはそういう前提に立っている。

しかし、受け手側が受け取り方をまちがってしまっては、使えるものも使えない、有益なものも不毛に映るのは当然。「あなたのタイプはこれ」というのをそのまま受けとって、自分をそういう人格に固定化する診断のように受け止めてしまう。

大衆的なタイプ分けとして血液型を例にとるなら、たとえばO型が全員おおらか、A型が全員神経質なんてことないだろうことは、ちょいと考えればわかる。そんなの当たり前という人もいれば、「A型の割りに細かくないのよ」という人もいるけれども、とにかく現実として、血液のタイプによって性格が決定づけられたり、血液のタイプによって行動が一様に固定されるなどということはない(ちなみに、血液型と性格の相関関係は今のところ証明されていないと6~7年前に聞いた)。

完全に何タイプの行動をとる人間というのは(精神が健常な状態であれば)いないわけで、人が生来的な性格タイプをもつとしても、それだけで行動を選ぶわけじゃない。その人の知能や発達段階(5歳か20歳か50歳か)によっても選択は変わるし、それまでの人生経験によっても、そのとき置かれている状況によっても選択は変わる。誰かのタイプをこれと特定することによって、その人の行動を予測できると考えるのは愚かなことだ。

MBTIのフィードバック・カウンセリングを行うにあたって、年末年始に「ユング心理学入門」を読み返していたのだけど、著者の河合隼雄さんが、この点に言及していて、ふむふむと感じ入った。

まず、タイプを分けることは、ある個人の人格に接近するための方向づけを与える座標軸の設定であり、個人を分類するための分類箱を設定するものではないことを強調したい。類型論の本を初めて読んだようなひとがおかしやすい誤りは、後者のような考えにとらわれてしまって、すぐに人間をA型とかB型とかにきめつけてしまうことである。こうなると個々の人間は分類箱にピンでとめられた昆虫の標本のように動きを失ってしまって、少なくともわれわれ心理療法家にとっては役立たないものとなってしまう。(*1)

人の性格を類型化するタイプ論というのは、個人の人格をより深く理解するための「座標軸」を提供するもので、個人を分類するための「標本箱」ではないのだ。今ここに生きている人の考え方や行動を決めつけるような理論、メソッド、ツールではない。送り手はそういう取り扱いをしてはならないし、受け手もそういう受け取り方をしてはならないのだ。絵にすると、こんな感じかな。

Photo

*1: 河合隼雄「ユング心理学入門」(培風館)

2014-07-25

MBTIを用いたキャリアカウンセリング

●まえがき
ごくごく細々とですが、私とFacebookでつながっているお知り合いの方向けに、個人あるいは6人以内のグループで、MBTIという性格検査(Web受検後のワークショップ含む)を承ります。

MBTIを提供(購入・フィードバック)できる認定ユーザーは国内に900名ほどいるのですが、大手・外資系企業の一部に活用の場が偏っている感があって、私が懇意にしているWeb業界では耳にすることがありません(知らないだけかもしれませんが)。ですから、自分の身近で興味のある方がいたら、受ける機会を提供したいなというのが一つ。

先々の予測がままならない時世・業界では、数年・数十年後の世の中を占う以上に、自分自身のことをより深く理解しておくことが、自分のキャリアを歩むのに有用ではないか、という想いがあります。己を知っていれば、めまぐるしい変化にも都度、自分がどうしたいのか、どうすべきか、柔軟に短期間で見極めて舵取りしやすい。そうであれば、MBTIを受けることが自己理解ひいてはキャリア形成の一助になる方もあるのではという期待が一つ。

いつでも誰にでも有効だから、ぜひ!とは全く思っていません。とりあえずこのページにご案内をおいておきますので、数年先でも何か思うところがあって活用してみたくなったら、気軽にお声がけください。

●MBTIとは
MBTIは世界的に活用されている性格検査の一つです。現在は21言語に翻訳され、50ヶ国以上で利用されています。利用者は米国で年間300万人、世界で年間500万人ほどです。

欧米諸国では学生がキャリアを検討する際の動機分析に使われており、産業界では社員のコミュニケーション力向上、キャリア開発、チームビルディング、多国籍企業における社員間の異文化理解などの研修で活用されています。米国では優良企業番付Fortune100社のうち、7割が研修に利用しているポピュラーなものです。そのほか、コーチングや教育者の訓練、変わり種としてはピッチャーとキャッチャーの相互理解を図る目的でメジャーリーグでも採用されています。

MBTIは、分析心理学の創始者であるカール・グスタフ・ユングが提唱した心理学的タイプ論をベースに開発されており、1956年の初版以来、50年以上の研究開発・活用の歴史があります。

性格検査といっても、MBTIは人の性格を分類するための診断ツールではありません。性格の良し悪し、能力の高い低いを測定するものではなく、選抜や選別、評価の場面で利用することは堅く禁じられています。

MBTIでは検査の結果をあくまできっかけとして使い、ご本人がワークショップを通じて自分のタイプを検証する過程で自己洞察を深めていくことを重視しています。ですから「受検してレポートだけ受け取って終わり」ということはできません。必ずWeb受検の後に、MBTI認定ユーザーと対面でのフィードバックが必要です。
※Web上で簡単に受検できるようになっているものは(アルファベット4文字で分類する性格診断)、この構造が破綻しており、正規のものではありません。

性格診断ツールの類いはネット上でもよく話題になります。それらほど手軽ではありませんが、信頼性・妥当性が適正に検証された心理検査を活用し、ワークショップを通じてじっくり自己洞察を深めてみたいという方は、お気軽にお問い合わせください。

●対象
・自分について理解を深めたい(自分の強みや特徴、らしさを知りたい)
・今後の自己成長に向けた課題を知りたい(死角になっている自分の弱点を知りたい)
・人とのコミュニケーションを円滑にしたい(どうしてうまくいかないのか知りたい)

●前提条件(気になることがあれば、お気軽にご相談ください)
・私とFacebookでつながっているお知り合いの方
・都内で4時間程度のフィードバック時間がとれる方
・18歳以上
・母国語が日本語の方

●費用(MBTI実施にかかる実費は、ご負担いただきます)
MBTIタイプ入門(第6版):2,160円
MBTI Form M Profile(Web版):1,940円
合計:4,100円(税込)
※必要に応じて、フィードバック時の会場費が別途実費でかかります。

●ステップ
お申込みは、個人・グループ(6名様まで)のご希望に応じて承ります。グループをご希望の場合、受検はお一人ずつWeb上で行い、フィードバックをグループで行います。

1.申し込み、2.実費振込、3.Web上でMBTI受検、4.フィードバックの順で進めます。まずはメール、SNS等で受検の意向をお知らせください。

●申込み・問合せ方法
日頃私と連絡をとっている手段で、お気軽にご連絡ください。

2012-09-23

MBTI次の一歩

少し前に書いた「MBTI復活」の続編。そこに、

この後もうお一人練習台を買って出てくれた友人がいるので、こんな感じで細々活動を再開していけたらなと思っている。

と書いたけれども、その「もうお一方」のフィードバックを先日、平日の晩に行った。とても面白かったと言ってもらえて、少し自信がついた。心底ありがたい。分かりやすかったし、もっと広く展開していいと思うと言ってもらえて、次の一歩に進んでいいかなという気持ちになれた。次の一歩をこれと決めていないが…。

あと、妄信的にMBTIって素晴らしいって感じではないスタンスがよかったとのこと。こういうメソッドとか手段って、やる側が妄信的になったら受ける側はたまんないなって思うので、それは絶対ない。MBTIやユングのためにやっているんじゃなくて、その人に利があるためにやっているのだ。

というわけで、誰のどんなシーンにも使える万能薬とはまったく思っていないので、会ったときに勧誘するとか、そんなことはないです(笑)。むしろそれを懸念して私からは一切口に出さないと思うので、興味のある方は気軽に声かけてください…。

さて、このフィードバック、まずはMBTIがどんなもので、どんなふうに人の性格をとらえるのかお話しして、事前にWeb上で受けてもらった性格検査のレポートをお返しした後、レポートはあくまで自己洞察のきっかけに留めて、あれこれ演習をやりながら自分で自分のタイプを検証していったり、そこで自分と他者がどんなふうに違うのか具体的に理解していく時間をもつ。

ということで、一通りのフィードバックを終えるのにどうしても4〜5時間かかってしまう。が、前回は朝から始めて10時〜13時、14時半〜16時半の5時間くらい使ったところ、今回は19時半〜23時半の4時間くらいで終えた。個別のフィードバックであれば、平日晩でもやれないことはないか、という感触を得た。個人差もあるので一概には言えないけれど。

あと、グループで行う場合は、やっぱり休日に開いて、朝11時〜13時、14時〜17時の5時間くらいみたほうが良さそうだ。グループセッションでは、6人くらいが上限になる(新米のMBTI認定ユーザーの場合)けれど、実際に同じワークをやってみて、性格タイプの違う人がどんなふうに自分と異なるアウトプットを出してくるかを目の当たりにするのは、自己・他者理解にとても有意義なので、グループセッションもできたらいいなぁと思う。

一旦「MBTIってこんなもの」って話をする場をもって、希望があれば後日Web上で質問紙に回答してもらって、別途フィードバックのセッションをもつというのでもいいか。そういう2回構成だと、平日の晩やるのも個人差なく現実的だ。

と、そんな感じでこつこつ。今回やったフィードバックの経験と反省をもとに改善を加えたので、次の一歩へ進んでいこうと思う。

2012-08-16

MBTI復活

ユングの心理学的タイプ論をベースに開発された「MBTI」という性格検査があって、それの認定ユーザー資格をもっているのだけど、ここ2年ほとんど手をつけずにきてしまった(一般に心理検査の類いは自由な購入ができず、有資格者のみ購入したり受検者にフィードバックできるという規約のもと取り扱われているのです。これも然り)。

のだけど、うーん、そろそろ時期だなぁという風を感じて7月の頭くらいから準備を始め、いろいろ勉強し直したり、ワークショップの資料を整えたりしてきた。それで今日が実践再始動日。事前にWeb上での検査を受けてもらっていた方と時間をもって、久しぶりにフィードバックを行った。

久しぶりといっても、そもそも2年前に資格を取った直後にフィードバックを手がけたのが2名だけなので、今回が実践の始まりといっていいくらいなのだけど…。とにかく今日お一人やって、この後もうお一人練習台を買って出てくれた友人がいるので、こんな感じで細々活動を再開していけたらなと思っている。

特に本業に取り入れる具体的な計画を立てているわけでもなく、自分の人生の中のどこかにそういう活動時間を組み込んでいく頃合いだな、という風をどこからともなく感じたので、それに素直に応えて復活させただけなのだけど、まぁたぶん間違っていない。

本業の「研修を作る」って仕事は、対象者が「集団」になるので、分析するときって、その集団にどんな「共通点」があるかが大きなポイントになる。共通で抱える問題点は何で、共通で目指すゴールはどこで、その受講者属性にはどんな類似性が認められるか。それを踏まえて、どういうアプローチで研修プログラムを組んでいくのがよいかを検討して設計する。これはこれで、提案書や設計図を模索する中でずいぶん鍛えられたし、問題解決の大事なアプローチの一つだと思っている。

けれど、対象者が「集団」ではなく「個人」であるという、そこにはまた別のアプローチが必要だし、そこにはそこの意義がある。そのときに必要なのは、とことんその個人の個別性に迫っていくこと。その人個人に深くもぐっていくこと。

そこのサポートに自分の人生の中の時間をいくらかでももちたいという思いが、一定の形をなして浮上してきたということなのか。もともと個人に向き合う仕事をしてきた期間はけっこう長いので、ここしばらく法人の問題解決に集中して時間を割いてきて、ここらで「個人」「法人」双方に目を向けたくなったのかもしれない。

かもしれない、くらいでしかないけれど。それに、5割5割で両立できるほど簡単な仕事じゃないし器用でも有能でもないので、今のところのイメージは本業でこれまでどおり法人のお仕事をしつつ、個人に向き合うところは自分の時間の中でできることを細々やっていけたらなぁというイメージではある。

いずれそのバランスを見直す時期がやってくるかもしれないけれど、そのときにはまたそのときで風が吹くんだろう。とりあえず、自分のなす仕事がきちんと意味あるサポートになるように、そっちの仕事力も磨いていかねば…。

特段MBTIにこだわるわけではなく、キャリアカウンセラーとして個人と向き合うことを大事にしていきたいなという思いなんだと思う。ただMBTIは従来の性格検査とちがって、自分のことや人を深く理解するのにとても有効なメソッドだと思うので、こういう枠組みにも必要に応じて力を借りながら、キャリアカウンセラーとしてできることをしていけたらなと思う。

ちなみに、MBTIが従来の性格検査とちがってユニークなところを2つ挙げると、後天的に身につけた役割性格(パーソナリティ)ではなく、もって生まれた性格(キャラクター)をとらえる点。それから「積極性」とか「協調性」とかいうように、何らかの集団の中の基準と照らし合わせて程度が高いか低いかで相対評価する特性論ではなく、その対象がもつ個別性で類型化するタイプ論であるところ。相対的ではなく、絶対的なものの見方をするところが気にいっている。気になるわーという方、私が成長した暁にはぜひ…。

2010-12-16

純粋な興味

久しぶりにMBTIネタ。11月にMBTI認定ユーザー対象の大研修会というのがあって参加してきた。後日、そこで感じたことをユーザー向けニュースレターに掲載するので原稿を書いてほしいという依頼があってお受けしたのだけど、原稿を書いて、出す前に依頼書を読み返してみたら、大研修会の中でも午後のセッションで得た学びについて原稿を書いてほしいという依頼だったことがわかり、もう1本書いて出した…。

でも、初めに書いた原稿のほうが自分にとっては参加した意義を感じているんだよなぁということで、それはここに残しておく。文章はちょっとラフに変えるけど、気持ちはそのままに。

園田先生が会の締めくくりに話されたことが一番の印象に残っている。技術も方法論も大事。だけど、“目の前にいる人に対する純粋な興味を持ち続けること”が何より大事なのだと。最後にこれをもってくるかぁと感服。というか、はっとさせられた。人格者だなぁと尊敬する人は、こういう押さえをほんと欠かさない。

トレーニングに参加したり、関連する文献を読んだりしていると、専門的知識・スキルを身につけようと頑張った分だけ、その人よりその人のことがわかるような錯覚に陥りやすくなる、その危険性に対して自分が無防備だったことにはっとさせられた。

確かにMBTIの理解は簡単なものではなく、認定ユーザーでない人に比べて、ある面では人間の心に対する理解の深さを持ちえたと言えるかもしれない。けれど、どんなに専門性を磨いても、本人の心は本人にしかわからないのだという前提を忘れてはいけないし、本人より自分のほうがよく見えているといったおごりに振り回されてはいけない。

その当たり前のことを阻む落とし穴が、より高い専門性を身につけていく過程にも潜んでいることを自覚した。そういう意味で、今後経験と学習を積み重ねていく基盤固めができたと思う。

河合隼雄さんが、著書「昔話の深層 ユング心理学とグリム童話」に書かれた一節ともリンクした。

われわれは太陽について、雨について、あまりにも多くの知識を得たために、太陽そのもの、雨そのものを体験することができなくなった。

太陽や雨のところを、「人の心」に置きかえて読み返してみる。

最後の「できなくなった」を「困難になった」に読みかえて、困難と知り、なお乗り越えていきたいと心に思う。素の私がもっている「目の前にいる人に対する純粋な興味」、そして「敬意」を大切に持ち続けて、今後も人の心に関わり、人のキャリア支援に仕えていきたいと思う。

2010-08-24

初めてのフィードバック

日曜日の昼下がり、私は待ち合わせに指定された恵比寿のウェスティンホテルを訪れた。と書くと、なんだかオー・シャンゼリーゼーな物語の始まりふうだけれども、1Fのラウンジに腰をおろし、14時から19時過ぎまで半日濃厚にキャリアカウンセラー業をしてきた。

私としては、MBTI認定ユーザーとして初の受検者へのフィードバックだった。事前にWebで受検いただいておいたものから結果報告書を用意していって、MBTIに関する解説に始まり、レポート結果のフィードバックと各種検証のセッション、その後一連の検証を踏まえてのカウンセリング的な話に展開していき、一通り落ち着いて時計に目をやったら5時間強が経過していた。

今回は相手が2人だったけれど、1人でも数人のグループ単位でやってもおそらく同程度の時間に落ち着くと思われ、個人差があるにしても少なく見積もって4時間、休憩を入れつつで考えると6時間のセッションとして事前にお伝えしておくのが良さそうだ。実際、ほかの認定ユーザーの活動をWebで垣間見ても、同程度の時間をつかってセッションをやっている。

次からはしっかり休憩を入れる想定で、6時間コースと事前アナウンスしよう…。あと、まずは私自身の体勢をしっかり整えるのに、知人限定で10人、実費3,990円(受検料2,100円と解説用の冊子代1,890円)のみでやる。その先をどうするかはまたそのときに考えるけど、とりあえず今4人まで決定。って値段も踏まえ、興味出てきた方はお声がけくださいませ(笑)。もちろんまずはどんなものか話して、受ける意味を感じられた場合しか事を進めないのでご安心を。目的によるけどグループでやったほうが人の違いが体感しやすい。

10人経験して基本的な体勢を整えたら、自分がWeb業界を中心に人のキャリアを支援する専門家として、研修稼業とべつに、キャリアカウンセラーとしてのシゴトをしていきたいと思う。まぁ本業のことを考えると、割ける時間は限られるけれど、小さくとも確実に意味のあるシゴトをしていけたらなぁと思う。

で、今回のセッションで、ひとまず「やってよかった」と思ってもらえたことに胸をなでおろしているのだけど、もちろん私自身も学ぶところが多くあった。その最たるは、これがまさしくMBTI認定ユーザーは「二重の専門性」が求められるってやつかと実感したこと。MBTI認定ユーザーという資格は、それだけでどうにかなるもんじゃないとされていて、その人がこれと別にもっている専門性をもってして、この道具をうまく従えさせて人の成長をサポートするのだという思想に立っている。だから、MBTIは人の成長に関わるあらゆる場で活用できるものだけど、各認定ユーザーは自分の専門領域内でしか使ってはならない。

普遍性も汎用性も半端ないメソッド・ツールなので、ただそれを認定ユーザーとして取り扱うというだけでは支援として底が浅くなってしまう。使い手がどれだけこれの本質的な価値を理解しつつ、これに使われず、本来の自分の専門性をもってこれを従えさせられるか、応用できるかが問われていて、そういう意味でも良い刺激をもらった。

自分が人として成長を遂げた分だけ、それとうまくつきあえるようになる、うまく扱えるようになる。小手先のテクニックで上手い下手が出るのでなく、人として本質的なところを磨いていくと、それがより道具として手になじんでくる、私はそういうものが好きだ。そういう道具とつきあいたい。だから、まだまだ手になじむと言えるまでには長い道のりだろうけど、いい道具を見つけたなーと思う。

で、しばしここでの話がこっち系に偏り、こういうのって語り続けているとちょっと怪しい印象がわいてくるので(笑)、これからしばらくは水面下で修行しながら小さなシゴトを積み重ねていきたいと思います。

2010-08-16

MBTIを語る

MBTI認定ユーザーとしてのシゴトがようやっと本格始動した。数ヶ月前に合格通知は受け取っていたものの、本業の立て込み具合がなかなかおさまらず、しばらく手つかず状態できてしまっていた。そこでちょっと一呼吸したタイミングで腰をあげて、受検者のフィードバック用のスライドをまとめながら知識の再構築をした。これが大変に勉強になった。

やっぱり書くでも話すでもアウトプットすると、その試行錯誤過程で濃厚なインプットが得られる。というか、自分の理解がいかにあいまいなものだったかを思い知らされた。何かを理解するなんて、ずっとその繰り返しなんだろうけど。純粋なインプット作業だけでは、自分で使えるものとして実は全然インプットされていないものだなぁと、アウトプットする度に実感する。

専門家としてMBTIを解説し、演習をファシリテートする腕力を磨き上げるにはまだまだ経験と訓練が必要だけど、とにかく自分の中で認定ユーザーとしての本当の第一歩が踏み出せたなという感覚を得た、のが今日だった。ここ数週間で下準備をして、今日スタートを切ったという感じ。

以前このブログでMBTIについて書いたとき、それを読んだ友人が詳しく話を聴きたいと連絡をとってきてくれたので、今日その友人の同僚さんも一緒に3人で会って、MBTIというのがどんなもので、どんなふうに他の心理検査と異なり、どういうふうに役立てることができるのかといった話をしてきた。

13時になんだかおしゃれなカフェで落ち合って、ほぼその話に終始してお店を出てきたのが16時過ぎ。3時間くらい話をしていたことになる。普段3人以上が集まったしゃべり場ではメインの話し手になることが少なく(ときどき猛烈にしゃべるけど)、だいたい全体のうち1~3割くらいのしゃべり時間に留まるのだけど、今日は7割くらい自分がしゃべっていた気がする。とにかくよくしゃべった。

扱っているのが「人の心のはたらき」とかいう濃厚なテーマなので、話す側の私もだけど、聴いている側の2人も途中「汗かいてきた」と言っていた。話を聴く側もたぶん、自分の心をすごく使う。私の説明能力の問題もあるだろうけど…、さすがに心のことを話していると心も無関心ではいられないようで、耳をダンボにして聴いているんだろう。

で、やっぱりこれはしっかりシゴトとしてやっていきたいテーマだな、と今日改めて思った。MBTIを通じて、だからできること、これまではなかなか実際的に手をつけられなかった領域のサポートができる気がする。ここ数年は本業に明け暮れていて、最近はほとんど法人向けの仕事をしている。それはそれで有意義だから本業はそこでいいのだけど、それがおろそかにならない範囲で、本業と別に個人のキャリア支援も続けていけたらいいなと思う。1対1で向き合うからこそできるサポートの領域と深さは確実にあるので、それはそれで細々とでも個人ワークとしてやっていけたらなと。

あと、MBTIを機に久しぶりにキャリアカウンセリング領域の対話を人とする機会が増えているのだけど、そういうところに入ると自分の心にものすごいドライブがかかるのがわかる。高揚する感じとも違うんだけど、人の話を聴いていると、自分のなかでいろんな洞察が働いて、いろんな関連づけが行われて、いろいろなストーリー展開が描かれて。でも、それに振り回されずに傍観している自分もいて、決めるのはあなたじゃないよ、本人だよ、と冷静に自分をみて静かに自分の舵をとっている。そのさらに根っこにあるのは、自分でも何によっていつ頃生まれたのかよくわからないけど、こういう形で社会に仕えたいのだという静かで安定した熱っぽいもの。

うまく表現できないのでなにかへんてこな言い回しだけど、これまわりのこと以外は本当に感度が低かったり無関心だったりなので、自分の特質みたいなのを、うまく社会に役立てていけるといいなと思う。資質がありそうなところをきちんと磨いて鍛えて、より高い専門性と志と倫理観をもって仕えていけたらと思う。職場ではたいてい「hysさんは常に淡々と仕事をしている」と言われるのですが、実は静かに熱っぽいのです、えぇ。

2010-04-14

MBTI認定ユーザー資格

合格通知が届いた。なんだか猛烈に忙しいときに届いて、喜びをじーんと堪能できない感があるのだけど、とにもかくにも良かった!資格取得はあくまでスタート地点にすぎないのだけど、スタート地点に立てたことが嬉しい。

以前「頭と心の猛特訓」のなかで、ちょっとわけのわからない猛特訓の話を書いたのだけど、あれはMBTI認定ユーザー資格取得のためのトレーニングを受講していたのでありました。その合格通知を本日受け取って、ほっとしたというわけです。

で、MBTIって何?っていう話なのだけど、これはユングの心理学的理論をもとに開発された性格検査。米国で年間300万人、世界では年間500万人、世界的に最も活用されている性格検査の一つです。人の成長に役立てることを目的に、心理臨床やキャリアカウンセリング、リーダーシップ開発、チームビルディング、エグゼクティブ・コーチングなんかで企業でも多く採用されているもの(と、ひとまず教科書的解説)。これの何が尊いのかとか、その辺りの話はまたいずれ(ってそこ話さないと結局よくわからないままなんだけど…)。

これを扱うには、専門的な訓練を受けて審査に合格することが必要とされていて、それが受かると晴れてMBTI認定ユーザーの仲間入り。日本には900人強の有資格者がいるようなのだけど、Web界隈に根をおろして、そこで活躍する人たちのキャリア支援に仕えたい!と思っている認定ユーザーはそんなにたくさんいないと思うので、本当にそういう力として使えるようにしていきたいと思います。

とにもかくにも、なんだか本業の企業研修の仕事が日に日に増えていって、さらにまだまだ増えること必至な感じなので、その一つひとつを大切にして、着実に一歩ずつ、貢献できることの厚みをましていけたらと思っています。

2009-11-28

頭と心の猛特訓

実は今週水曜から土曜まで、とある専門家になるための過酷すぎる訓練を受けておりまして、会社をあけておりました。連続の振休消化で一見バカンス風、しかしてその実態は…。突風に身を任せて、けっこう日が迫ってから個人的に受けることを決めたので、事前情報もさして持ち合わせておらず、まさかこんな過酷な日々が続こうとは思いもしませんでした。というか、楽とも過酷とも、とくにこれという先入観をもたずに申し込んだのだったと思いますが、前日までにあれこれの予習をし、参加してみたら毎日朝9時から夜9時過ぎまで都内のホテルに缶詰め、ずっとずっとずっとずっと頭と心をどちらもフル稼働させ続ける日々でした。

一日のプログラムが終わると、「精根尽き果てるとはまさにこのこと!」という状態に。ぎりぎりまで神経を集中させ、終わったらとにかく帰って寝るのみ。翌朝はプログラムが始まるまで前の日の復習。とにかく濃厚な4日間でした。なんか4日間で2~3週間分のエネルギーを使い果たしたような感じ。

というのも、4日目の最終日の午後がテストなのでして、これも受ける前までは「へぇ、テストもあるんだー」くらいの認識だったのですが、初日行ってみたらまぁやるからには資格取らなきゃそれはそれでどうなんだろうという緊張感が芽生え…。しかしこれがまた、精根尽き果てるテストで、夜9時までとはならずとも、最終日の今日もやっぱりへとへとになりました。ともあれ本日で一通りのプログラムが終わりました(審査結果の通知は先だけど)。

いやはやとにかく、ものすっごい精神を鍛えられましたし、数日前には知らなかったこと、感じえなかったこと、気づきえなかったことをたくさん得た実感があります。それにもまして、自分自身がいかにわからないこと、できないことをたくさんもっているか、それが数日前よりはるかに具体的に見えている状態、そうでありながら気分は打ちのめされた感と真逆の状態にあることが、なんとも不思議というか。生きていく上で何か(これがまだ言葉にできないのですが)貴重なものを得られた感覚をもって家に帰ってきました。

一方で、まだ頭も心も整理できていないので、このまま放置したらここ数日の努力が何にもならず風とともに去っていってしまうという恐怖感もあります。せっかく20代後半で車の免許を取ったのに、いまや一人前のペーパードライバーという前科もの。これから振り返りの時間をもって、何をどういうふうに定着させて、そこにどう知識とスキルと経験を積み上げていくか、もったいないことにならないようにしっかり考えて活動していきたいなと思っています。何より、より高い専門性をもって人のキャリアを支援するという目的のために。すごく大切にしたいなぁと思うものを与えてもらえたと思うし、ものすごく尊い先生に直接教えていただけたし。

というわけで、それって何なのさ…という話なんですけど、“弱い意味での”不言実行人間なので、今日の審査が通ったらぜひともここでご報告させてください。そしてダメだったら再チャレンジして、通ったらここでご報告を…。いやそんな、神さま、お願い、受からせて。ということで、あとは善行を積みつつ勉強を続けつつ天からの便りをひっそりと待ちます。

いやー、とにかく疲れた。でも人生の中でもそうそう経験できない充実した4日間でした。すみません、ただの思いのたけオンパレードな話で。