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2015-03-15

Kindle Voyageの使用実感メモ

電子書籍リーダーの「Kindle Voyage(Wi-Fiモデル)」を使い始めたので、その使用実感メモ。といっても、すでに世の中で挙がっている一般的なユーザーの声が多くを占めると思うので特別新しいことは書いていないと思うけど、自分用の簡単な記録と、最近使い始めた1ユーザーの感想メモとして。

ちなみに、手にしてまだ日は浅く、数冊ダウンロードして持ち歩き、縦書き・横書きをいくつか併読中。200ページ強のビジネス書(横書き)1冊を数日かけて読み終えたところ。まだ小説やマンガは読んでいない。

[第一印象]
手ざわりも見た目も高級感があって良い感じ。軽い。本の持ち歩きが楽になりそう。

[持ち歩いてみて]
これまで比較的厚い本を1-2冊入れて歩くことが多かったので、カバンはだいぶ軽くなった感あり。スペースにも余裕ができた。期待どおり。

[読書してみて]
・薄くて持ちやすい
なので、座った状態でも手に持って読んでいることがけっこうある。

・読みにくい感じもない
集中して何時間も読み続けられる感じがしないんだけど、私の場合それは紙の本でもそうなので、今のところ電子書籍リーダーだからどうこうという不快感はないんじゃないかという気がしている。

・曲がらない違和感
もう少し柔らかく、文庫本ほどでなくともぐねっと曲がる感じがあると、より肌になじんで読み進めやすい気もするけど(言うは易し)、一方で…

・置いても閉じないという便利
硬さがあって自立的にページが開いていてくれるので、置いて読んでも閉じないのは大変便利。手が楽だし、手を他のことに当てながらも読める。食べながら、飲みながら、キーボードたたきながらもOK。

ちなみに、紙の本でも閉じない本は実現でき「計算ドリル」とかあると思うんだけど、コードとか書かせる技術系入門書が「一緒にやってみよう!」と語りかけつつも、手を放すと閉じちゃう作りになっているのはなぜだろうと逆に思った。

・ページめくりのもたつきストレス
ページめくりの度に表示がにじんで、もたつく。ちょっと前のページに戻るという動作を面倒に感じてしまうレベル。表示領域が限られていて、ページをめくる頻度が高いだけに気になると言えば気になる。これはよく聞いていた話なので、今もがんばって改良中なのだろう。

・ハイライト、検索、引用できない本が混じる
古い本など書籍によっては、紙をスキャンしただけの状態で売られていて、ハイライト(線を引く)、検索、引用ができない。Amazonサイトのその書籍の「商品の説明」欄に注意書きがあったんだけど、「商品の説明」を書いた人(出版社?)の善意によってわかるようになっているだけなので、Amazonの仕組み上は区別されていないようだ(あるいは明記するよう運用ルールを設けているのか)。私は買って読み始めてから気づいた(紙よりは400円安かった)。

・人の「ハイライト」が見えるという新しい体験
ハイライトできる本だと、その本を読んだ別の人の何人が、この部分に線を引いたという情報がさりげなく記され、これはこれまでにない体験だなと、その部分を興味深く読んでしまう。逆に、自分がハイライトしたい箇所で、他の人が特にハイライトしていないのを、「私が初めて線を引く人」的に誇らしく感じる気持ちも。

・「ページをめくる」というメタファがしっくりこない
横書きの本を画面下まで読んで、次のページに行くとき、「下に送る」のではなく「右にめくる」という動きがしっくりこない。縦に長いWebページをスマホで読むように、縦長なり横長の1枚の巻物構造になっているイメージで、行を指で送っていくほうが自然に感じる。

見せ方の移行期なのだろうけど、古い本のスキャンデータならともかく、新しく出た本でも今のところそうなのか。もう少し楽に紙とデジタルと作り分けできるようになると変わるのか、あるいはもう少しデジタルファーストっぽく作るようになると変わるのか。

・現在地の把握が直感的にできない
今読んでいるところが「全体の中の」あるいは「今の章の中の」どの辺なのかという把握が直感的にできない。ここも今後改良していくのであろう道半ば感がある。すでに読んだ側と、これから読む側で、巻物の巻の厚みが違う表示とかがあるとわかりやすいと思うんだけど…と素人発想。

[読み終えた後]
・物理的に本が狭い部屋を圧迫しないのは良い。良いのだが…

・「読み終えた本」という物質が残らない虚無感?がなんとなく漂う。慣れかしら。

[使ってみて]
・Wi-Fiモデル(3Gなし)なので、同期はそんなにスムーズでない。主に家の外で使うのでネットにつながらない状態で使っており、Wi-Fi接続する家の中では立ち上げないことが多いから、読んだ最終ページが更新されない。だから、iPhoneで開いても最終ページは同期されないのがたいてい。

・スマホに比べてバッテリー長持ち、頻繁な充電が不要という取り扱いやすさを感じる。

以上、メモ書き。電子書籍リーダーが出始めた頃に比べると、だいぶ読みたい本が電子書籍として出てきている感はあり、紙と電子と併用していく感じで行きそう。そうしているうちに、こういう本は紙がいいなとか、こういうのはデジタルがいいなとか、もう少し体感的に整理されてくるかもしれないなぁという気がしている。

2013-01-08

セラミックヒーターを買うまで

ビックカメラでセラミックヒーターを買った。ダイキンのセラムヒートという遠赤外線暖房機。1消費者の購入までのいきさつをメモ。

私は寒がりだし、部屋もフローリングむきだしで寒いので、前からエアコンのほかにもう一つ暖房器具を部屋に置きたいとは思っていた。のだが、なんだかんだとやり過ごしているうちに季節は変わり、まぁいっかを繰り返し。

が、来る冬、来る冬、毎度冬は寒く、部屋も寒く、身体をふるわせて部屋にいる。いい加減これだけずっと欲しいなぁと思っているのだから、きっと買っても後悔はしないだろうと思い、数日前「本当に買うかも」モードにスイッチを入れてビックカメラへ行った。

一度目は様子見、買うならこれだなぁというところまでいって、家に帰って一晩寝かせてみたが、やっぱりあれ部屋においたらいいかなぁという気持ちが残っていたので(高まっていたわけでもない)、では会社帰りに買って帰るか、と再びビックカメラへ足を運び、買ってきた。

先の商品を選んだのは、(1)ビックカメラの暖房器具売り場で前のめりに売り出し中だったのと、(2)試演中になっていて前に立ったらあったかかったのと(暖房器具だから当然だが)、(3)商品下に設置されていたパンフレットを読んだらいいこと尽くめでべた褒めされていたのと(パンフレットだから当然だが)、(4)店頭に暖房器具の種類別特性一覧みたいなマトリクス図が張り出されていて、セラミックヒーターは即暖性に◎がついていたのと、(5)デザインがシンプルで色味も落ちついていたためだ。

あと、(6)私がその商品のスポットライト下にいるときに、背後の母娘が「これ、いいらしいわよー」と噂話ふうにささやいていたのを耳にしたのも、世の中のどこかでコレ評判がいいんだなぁと思った記憶があるので、一応付け加えておく。

で、大方気持ちを固めつつ、28,000円台を提示する値札の下に書かれた、他店でこれより安く売っていたら店員にお声がけください的な一言への対処を思案。手元のスマートフォンで価格.comをチェックしたら、なんと18,000円台がある。さすがに1万円値切るのは難しいだろうと思いつつも、これを見て28,000円のまま売ることもないだろうと思い、注意書きに従って店員さんに声をかける。

「これの在庫ってありますかね?」と尋ねると、「ありますよ」と店員さん。スマホを手に、「これね、価格.comの最安値で18,000円台があるんですけど、どれくらいまでいけますかね」と私。「うーん、量販店さんの最安値までは落とせるんですけどね。それだといくらになりますかね」と店員さん。一緒にスマホ画面を覗き込みながら、量販店の最安値までページを下っていく。コジマネット23,379円、これで手をうとうじゃないかと相成り(ネット販売っぽいけど)、きりよく23,000円にしてくれた。1万円値切ったら、5千円まけてくれた格好に。値切ったの、初めてかもしれない。初めてのお使い的にちょっと気分高揚。

「持ち帰ります?」と言われて、「できるかぎりそうしたいんですけど、ちょっと持ってみていいですか?」と試してみる。まぁ、持てないことはない。店員さんも「10kgくらいですね。まぁもてないことはないですね」と言うので、「じゃあ持ち帰ります」と宣言。

しかし店員さんも、店と私の家との距離も移動手段も知らないでよくぞ言いきった。店から出る前に、エスカレーターを数階下るだけで腕が折れるかと思った。だいたいこういうのは往々にして、もっている間に重たさが増してくるものなのだ。小学生のときに習っただろう。店員さん、もしや自分の体格、体力、筋肉、店と家の距離想定で言っていたのでは…。

とか、今さら言っても始まらない。角張って持ちづらい大きな段ボールを持ち、休み休みどうにか店を抜け、駅の改札を抜け、電車に乗って、最寄り駅から家まで汗をにじませながら帰ってきた。

まぁそれでも、数日後に届く身軽な最安値より、今日持ち帰れる重たい安値である。欲しいときが買いどき。おかげで今、右半身はほかほかだ。そして左半身は寒い。遠赤外線とはそういうものらしい。

2011-09-23

ICレコーダーを買うまで

定期的にインタビュー取材する仕事ができて、ICレコーダーを買うことにした。購入にあたってどんなプロセスを経たかメモに残しておく。人の役に立つメモではない気がするけど…、まぁ休日のおしゃべりです。

ICレコーダーは、自分に全く知識のない商品だという認識があったので、まずはどんな選び方があるのか、一般的な価格帯はいかほどなのか情報を得てみようとGoogleで「ICレコーダー」と検索。広告枠の下に視線を向けると、1番目と2番目を価格.comが独占。まずはここでみんなの意見を聴くのがいいと思い、1番目を新しいタブで開く。

3種類の人気ランキングが、それぞれ5位まで掲載されている。メーカーをざっとチェックしてみると、どのランキングもTASCAM、オリンパス、三洋電機の3社で占められているから、まぁこのうちのどれかかと思う。しかしTASCAMは聴いたことがないな、ICレコーダー専門メーカーなんだろうかと思いつつ、特に調べず。

価格帯をざっと眺める。3千円、5千円、8千円といった1万円未満もあれば、1万円台、2万円台もあるんだなとわかる。2〜3年前に出たのは1万円をきっているのかなぁと思いつつ、うるさいところでインタビューするわけでもないから、数年前の性能でも十分だろうなぁと、なんとなく2万円以上は対象外のイメージをもつ。

3つのランキングのうち「注目ランキング」はいまいちよくわからないので(編集している人が注目している?広告っぽいものかなぁと)、私はみんなの声を聞きに価格.comにやってきたのだということで「売れ筋ランキング」と「満足度ランキング」の上位製品をいくつかクリックして商品詳細をみてみる。「スペック」のところにいろいろ書いてあるけれど、「主な機能」などはいまいち理解できない用語も多く、ここでは「A製品もB製品もおおまかついている機能は同じなんだな」という認識を得るに留める。

前提として、さして高機能なものは求めていないのだという思いがあり、とはいえ1円でも安いものをというがむしゃらさもない。わかりやすい「最大録音時間」はどれも百何十時間という表記なので、今時のものはどれも1時間程度の取材を記録するのに困るものではないんだろうと思う。あまり時間をかけずに、用途に必要十分な商品に絞り込んでさくっと買えればよいのだ。

続いて「レビュー」を読む。三洋電機がたいそう褒められている。購入した人の満足度がとても高そうだ。一方で気になったのがオリンパス製品のレビューに書かれていた「オリンパスは営業力がありますからねぇ」という訳知り顔な声。この言葉を頭の隅に残しながら、一旦価格.comを去る。

みんなの声とは別に、専門家の声を聴いておこうということで、再びGoogle検索の「ICレコーダー」。まったく知識のない商品/サービスの購入に際しては、大衆の意見(量)と専門家のアドバイス(質)を両方踏まえたい。

検索結果を少しスクロールしてみると、1ページ目の中ほどに「ASCII.jp:ICレコーダの買い方(2009年初頭編)」とある。ASCIIの記事ならいかにも専門家の話が程よいボリュームでまとまっていそうなイメージ。2年前の話なら、基本的な選び方のポイントも変わっていないだろうと思い、クリック。

「ICレコーダを選ぶときのポイントはコレだ!」という見出しに、まさに!そんな話が聴きたいと思い一通り読む。ここで学んだのは、高音質を求める人っていうのは音楽の録音とかを想定している人で、そういう人向けに2万円台の商品があるんだなぁということ。あと、PCとの連携機能は地味だけど重要だなぁということ。USBケーブルを必要とする製品は、使いだすと面倒そうだ。本体にUSBコネクタが内蔵されているのにしようと思う。

後半のページに進むと、2009年初頭当時の一押し商品が紹介されていく。これはもう商品が入れ替わっているので読まなくてもいいかと思いつつ、あることが気になって結局最後まで読んでしまった。そして、これが商品選びというかメーカー選びの決定打に。

というのは、この一押し商品紹介ページ群、3ページにわたって当時1万円台(ボリュームゾーン)、2〜3万円台、さらに上の価格帯の商品群が紹介されていくのだけど、基本的に1ページの構成が「オリンパス→三洋電機→ソニー」の流れなのだ(最上位価格帯ページは違うメーカーが出てきていたけど)。

で、冒頭のオリンパス製品の紹介文には、特にこれがダメ、これができないという指摘は書かれておらず、基本これで十分という印象を与える。しかも紹介されている中で一番安価。続いて紹介される三洋電機とソニー製品は、さらにこんな機能もついているけど、あれはできないみたいな書き方が目立つ。

「さらにこんな機能もついている」というのも、前半の記事で「これこれをしたい人でなければ、こんな機能は不要だろう」と書かれていた記憶…。「ワンランク上の機能を誇る」と添えてあるけど、ワンランク上でなくてもいいなら高くつくからオリンパスにしておけば、という感じに見えてならない。

オリンパス営業力強いって価格.comのレビューに書いてあったからなぁと頭の中で勝手に関連づけが進む。広告っぽいのを見るとオリンパスが一番良さそうな印象を受けるようになっているけど、品質的には三洋電機が一番ってことなんじゃないかと邪推。三洋電機を応援したい気持ちがむくむくわいてくる。

そもそも、ものすごい検討に検討を重ねてメーカー選定を行いたいというのでもなかったので、ここらの印象でもう決めてしまって、三洋電機の手頃なのでいいかなぁと思う。レビューで一番なのは安心だし満足度も高いし。そして価格.comで上位にあった三洋電機「Xacti SOUND RECORDER ICR-PS502RM」を今一度チェック。USBコネクタも問題なく内蔵しているし、よし、これに決めたという気になる。

製品名を書いたメモをもって翌日ビックカメラへ。とりあえず実物を見てからというのと、店員さんは何を勧めるんだろうなぁという興味と。お店でICレコーダー売り場の前に立ち、重たいかばんを床において、製品を一通り眺める。私が目をつけていた「Xacti SOUND RECORDER ICR-PS502RM」があった!が、最も下の棚においやられている…。上の棚はやっぱりオリンパスが多いなぁ。

店員さんがやってきて「ご案内しましょうか」と声をかけてくださったので、特にこれを買おうと思っているとは言わず、「仕事で取材用にICレコーダーが必要になったんですけど、商品知識がなくて。これだけの商品から、皆さんどんなふうに選んでいるんでしょうね」と訊いてみる。オリンパスを勧めてくるのだろうかと、うすらぼんやり思う。

「下の棚のほうは、おばさまがたが趣味の稽古ごととかで使うものなので、お仕事で使うのでしたらやはり上の段の…」「よく売れているメーカーだと、やっぱりオリンパスさんが売れてますねぇ」、この他にもやりとりの中で2〜3回オリンパス押しにあう。これを聴いて、さらに三洋電機への思いが高まる…。

「でも下の段のも2〜3年前は最新機種だったんですよね?そんなに性能が低いってわけでもないですよね?」と聴いてみると、「まぁ、そうですね」と素っ気ない応答。「でも、例えばUSBコネクタが内蔵されているとか、使い勝手がいいのは上の段ですね」と目線を上にして言うので、「あの三洋電機のは、USBコネクタ内蔵されていますよね?」と視線を下に戻すと、「あぁ、ついてます」とものすごい小さい声で応答があった。

空気がまずい、私、彼女のテンションを落としてる!と悪いことをしている気分になってきたので、そろそろ決めてしまおうと店員さんの話の間を分け入って「この三洋電機のにします」と宣言。1消費者の購入記録でした。長くてすみません…。

2003-06-30

合宿免許

2003年6月末日~7月前半にかけて、合宿で車の免許を取りにいったときの話。とにかく苦悩の日々だったので、文章にあまりまとまりがありませんが、お時間のあるときにどうぞ。

■2003/6/30(mon) 初日から疲労困憊

合宿初日。電車に乗って千葉県を南下。のどかな車窓を眺めながら、房総のとある駅に到着するまでは良かった。が、後はもうショッキングなことばかり。イメージとしては、教習所は刑務所、教官は看守、自分は囚人って感じである。気分は滅入る一方。ここで2週間以上暮らしてゆくことが本当にできるのだろうか。とても心配。とりあえず詳細は明日に持ち越し。今日は眠ります。

■2003/7/1(tue) 地獄の事情

合宿2日目が終わった。かなりきつい。いろんなことが本当にきつい。なんだか、冗談でなく精神がおかしくなりそうである。それに加えて、いつ帰れるのかわからない状況なのが一層私を追い込んでいる。

決してスケジュールがきついということではない。というか、スケジュールの問題を挙げるなら、無駄な時間が多すぎる。「合宿免許は時間をもてあます」という話は経験者の方から事前に聞いていたが、私は「夕方以降何もすることがなくなって、宿泊先で時間をもてあます」ものだとばかり思っていた。が、実際は違った。教習所内で時間をもてあますのだ。朝7時半のバスに乗り、宿泊先から教習所に向かう。バスに揺られて30分以上。やっとこさ教習所に着くと、その後は夜の8時半まで一切教習所を離れることができない。

といって、別段「合宿」に最適化されたスケジュールが組まれているわけでもない。通学生と合宿生、共用のスケジュールである。そのため、例えば自分がその日朝2時間、昼1時間、夜1時間の学科や技能を受けられるとすれば、それ以外の時間はただひたすら自習などして、教習所内で待機するほかないのだ。にも関わらず、合宿生は朝7時半宿泊先発、夜8時半教習所発の送迎バスにしか、原則として乗車を許されない。その日がどんなスケジュールであれ、朝早く起きて、夜遅く帰るしか道はないのだ。

それなら教習所の近所で暇をつぶせば?という話になるが、それもまたできないのだ。合宿生の場合、学科スケジュールは予め決まっているが、技能の方は1日ごとにその日自分が教習を受ける時間帯が貼りだされる。朝それを確認して、「今日は何時~何時までは暇」というのが一応わかるようにはなっている。が、それに頼って「あとは夜までスケジュールが空いているから」と途中教習所を離れてしまうと大変なことになるのだ。当日他にキャンセルが出たりすると、常に所内にいる合宿生の教習が急に前倒しにされたりするので、合宿生はその急なスケジュール変更に対応できなければならないのだ。

それは突然所内の放送で告知される。この呼び出しに気づけなかったら終わりだ。いつのまにか自分のスケジュールが変わっていて、夜に予定されていたはずの技能が昼に変わっている。こうなると、いくら当初の予定どおり受付にやってきてもその日の受講はできなくなる。それどころか、変更後の教習を自己都合でキャンセルしたという扱いになり、キャンセル料をとられるのだ。教習所内にいたとしても、居眠りなどしていて呼び出しの放送を聞き逃したら同じことである。なんと恐ろしいことだろう。

というわけで、そもそも外出しようにも教習所は山の中、コンビニ行くにも徒歩30分というところなので、私は所内の待合室でおとなしくしている。その環境がまた劣悪。ハエ、あり、蚊、クモがうようよしていて全く落ち着かないのだ。それでもとにかく教科書を読む。そうしていると、周囲からいろんな話し声が聞こえてくる。これがまたブルーになる話ばかり。

合宿って通学より評価の甘いものだと思っていたが、皆とことん落とされている様子。最短で半月で終わるコースなのに、1月たってもいまだ帰れず今日であきらめて家に帰る人の話、試験に4回落ちた人の話に、教官の悪口やらこの環境の愚痴の数々・・・。

気分はどんどん下降してゆくばかり。私はいつ帰れるんだろ。早く帰りたい。

■2003/7/4(fri) 慣性の法則

人間、なんだかんだと慣れるものですね。ここでの生活に少し慣れてきている自分にふと気づきました。ここへやって来た日なんて、ほんと帰ろうかと思いましたが、「実は負けず嫌いで意地っぱり」な性格が表目に出て、どうにかこれまでやってきました。そうするとやっぱり、時とともに当初の痛みは少しずつ和らいでくるもので。長居したくない気持ちは全く!変わりませんが、「早く帰りたい」から「合格して早く帰りたい」に気持ちが移りゆく感覚を味わっていたりもします。人って強い生き物だなぁと感心してしまいます。

こんなことを思ったのは、私の2日後に入所してきた5、6人のうち、3人が入所当日か翌日に引き返してしまったから。要は「想像と違った」「こんなとこでやりたくない」ということなんですが、まぁ気持ちはよくわかります。決断するならそのタイミングでしょう。5日もすれば感覚も麻痺するもの。それが良いことか悪いことかはわかりませんが、個人的には、そんなんでも「とりあえず頑張ってみよう」と取り組んでみることで、後から振り返ってみれば、そこでしか得られない経験や思いがけない財産を得ることにもなるんではないかなぁと思うわけです。行き着くところは、やっぱり楽観主義な私です。

とはいえ、私も1月もここに足止めされたら、さすがにここを離れます。宿泊費もバカにならないし、この環境で1月暮らすというのはさすがに想像しがたい。そもそも合宿の意味がない。1月っていうのは極端だろうと思われるかもしれませんが、実際そういう人たちにここで複数お目にかかっているので、現実問題なわけです。合宿って、通学より少しは甘めに評価してくれるのかと淡い期待を抱いておりましたが、全くそんなことはないようで。容赦なく落とされ容赦なく延泊。うー、恐ろしい。

程よい慣れに留めて、1日も早く合格しておうちに帰れますように。

■2003/7/5(sat) つまづき

普通免許の教習というと、数年前までは確か四段階に分けて実施していたと思うが、現在はニ段階に分けて行っている。一段階では学科と教習所内での技能、ニ段階では学科と路上での技能がある。各段階の終わりに学科と技能の試験がそれぞれ設けられており、一段階のゴールは修了検定合格(仮免許取得)、ニ段階のゴールは卒業検定合格だ。卒業検定に合格すれば、合宿は終了。あとは免許センターかどこかに行って最後の学科テストを受験、これに合格すればゴールインである。

私が今どの地点に位置しているかというと、一段階のみきわめ。一段階では、学科の授業をすべて受講した後に「修了検定前テスト」という試験があり、これをクリアすると、技能の方の「みきわめ」が受けられる。これまで技能で学んだ「進路変更」「S字・クランク」「坂道発進」「踏切」など一通りを披露して、「修了検定を受けていいぞ!」という教官のお墨付きをもらうのだ。これをクリアすると、翌日修了検定(技能)と仮免試験(学科)が受けられる。それに合格すれば、その翌日からニ段階だ。

私は、ここまでどうにかストレートでやってきたのだが、今日このみきわめで落っこちてしまった。愚痴をこぼすなら、各教官の教え方が個性の域を越えていて、教える要素もその内容も大きくズレがあるため、「それ習ってないよぉ」ということをいきなりみきわめで「それやれなきゃ」と言われるのだ。で、とりあえずやってみるのだが、私の運動神経ではやっぱりできない・・・。後でそれをニ段階に進んでいる他の受講者に話すと、「そんなの習わなかったし、みきわめでも検定でもやらなかったよ」なんて言われて、一層めいる。せめてみきわめと検定でチェックすることぐらいは全教官で共通認識をもってほしい。

とはいえ、私はまだ被害の少ない方。教官は男ばかり。男性諸君は、かなりひどい目にあっているようで、受付に「誰々さんには教わりたくありません」と申し出る人もいるほど。愚痴ばっかり言っていて「ガキやねぇ」と悲しくなる輩もいるが、「そりゃ教わりたくないわなぁ」とかわいそうになる人もいる。ミスをすると嘲笑されたり怒鳴られたりするらしい。女性でも、「頼むから君は免許取らないでくれよ」とあきれ顔で言葉を吐き捨てられ、号泣してしまった人も。ニ段階まで進めといて、そりゃないわなぁ。私でも泣いてしまうわ。ちょっと教育現場とは思えない。

なんて、ここの教育のあり方を考えている余裕は情けないが今はないのだ。1回落ちれば、そのまま合宿日程が延びて延泊となる。宿泊費がかかるのも痛いが、何より早くここから脱したいというのが一番強い。この精神的苦痛を早く取り除かねば、心がもたない。すでに1日延泊決定。これ以上落としたくない。明日のみきわめ、頑張ろう!

■2003/7/6(sun) おめでたい

通過した!昨日落っこちたみきわめを今朝再挑戦。今日の先生は当たりで、私のできないところをとても丁寧にわかりやすく説明してくれ、最後に合格のハンコもくれた。嬉しい。こういうふうに教えていただけると、みきわめに落ちたのも私には必要な過程だったのかもしれないと思う。私っておめでたい。

最後に「ちょっと不安だけど・・・」と口にしながらハンコを押した教官の横顔が気にならないでもないが、ま、まぁ、明日の修了検定も力まず焦らず頑張ろ。

それに受かればお昼に仮免学科テスト。これがまた、たいそういやらしい引っかけ問題のオンパレードで非常に難しいらしいのだが、これに合格すれば一段階クリア。ニ段階の人は、皆口をそろえて「一段階までがきつい」と言う。うーん、合格したい!神さま、明日はどうかよろしくお願いします。

■2003/7/7(mon) 教育バカ

今日は七夕。だけど天気は雨。彦星さまと織姫さまは再会を果たせなかったのかな。いや、きっと私たちには再会する様が見られなかっただけだよね。

私は相変わらず山中で免許取得に奮闘中。今日は、修了検定(技能)を見事一発で通過し、その後の仮免試験(学科)にも無事合格。やっとこさ一段階を終え、仮免許取得に成功した。

休む間もなく二段階は始まる。といっても、試験の結果を受けてから3時間はひたすら待ちぼうけだったけど。今晩から二段階の学科に突入。その講義の中で、ちょっとショッキングな発言あり。

講義の最中に、教官がちょっと改まった感じで語り出したのだが、それを端的に言うと、「事故にあう人間というのはそもそも低レベルな遺伝子でできているわけで、そういう人が事故にあって亡くなってしまい、優秀な遺伝子だけが受け継がれてゆくのは自然の摂理だと思う。ただ、初心者が事故にあって死んでしまうと教習所の責任も問われるので、そうも言ってはいられない」

幸い?他の受講者にはその発言が重く受け止められていなかったようだが、もし彼が政治家だったら今ごろマスコミに袋叩きにされているような問題発言だったと私は思う。私がこの教習所の事務局だったら、絶対にレッドカードで警告しているだろう。何を思うのも自由だし、その人にだってそう思うまでにそれなりの経緯があったのだろうとは思うが、教壇に立って教官が受講者に何をどのように話すべきか、もっと真剣に考えるべきだと思う。私が過敏すぎるんだろうか。

そんなこんなで2時間講義を受けて、長い一日が終了。明日からは二段階の技能、路上教習も始まる。私が一般道を走って大丈夫なんだろうか。それも教習所を出るといきなり山道・・・。まぁ、どうにかするしかない。というわけで、後半戦も頑張ります。あぁ、早く帰りたい。

■2003/7/8(tue) 路上教習

今日から路上教習。やっぱり所内より路上を走る方が断然面白い。時間があっという間に流れてゆく。まだ身体全体に力みがあって、今日の「夜間&雨天&山道」などかなりぎこちなかったが、まだまだ路上初日。一段階に比べれば二段階は教官のハンコももらいやすいようなので、以降は卒業検定までストレートでいけるよう頑張ろう。7月中旬には学校の試験を終えた学生さんが教習所になだれ込んでくるらしく、教習所としては今いる私たちを早く追い出したい様子。この追い風に乗ってスイスイーと脱出だ。

■2003/7/10(thu) 鍵を紛失

今日は朝からドタバタだった。ホテルの部屋の鍵をなくしてしまったのだ。昨日の晩、いつも通り自分で鍵を開けて部屋に入り、いつも通りテレビの台に乗せて眠ったつもりだったのに。探すところなど限られているごく小さなシングルルームなのに。なんで私はこんな小さな部屋でものを無くすことができるんだろうか。ほんとあきれてしまう。

朝ごはん抜きであちこち探してみるものの結局見つからず、とうとう出発時刻になってしまった。仕方なくフロントに行って鍵を紛失した旨伝えると、ちょっと困り顔で、帰るまでに新しいのを用意してくださると言う。私は「戻り次第また探してみます」と詫びて、ひとまずホテルを後にした。

夜ホテルに戻ってくると、別のフロントの方が何事もなかったかのように私に鍵をくれた。新しいのを作ってくれたのならその費用はお支払いしないとなぁと思い、その方に朝の事情を説明する。すると、その方は鍵をじぃっと見つめて、とくに新しい鍵ではなさそうだと言う。確かに、カードの表面には古傷が多々見られる。どういうこと?

そこでフロントの方が私の部屋のキーボックスにあるメモを発見した。それによると、どうやら私、昨晩部屋の鍵をドアにさしたままで眠りについてしまっていたらしい。それに気づいたどなたかがその鍵を抜いてフロントに届けてくれていたようだ。まぁ、なんとありがたい。まぁ、なんて無用心な・・・。当たり前だが、全く記憶がない。

事件事故の絶えない今日この頃。もっと気を引き締めねば。反省、反省。

■2003/7/15(tue) 出所

なんだかんだと頑張っていたら、一昨日の学科試験、昨日のみきわめ、今日の卒業検定と全部ストレートで合格してしまった。やったぁー。というわけで、今日のお昼に無事出所し、自宅に帰ってきました。いやはや、大変な2週間半でありました。とりあえず明日免許センターに行って、最後の学科試験を受けてきます。千葉県って、学科試験が全国でも1位2位を争うほど難しいらしいのですが、とりあえず1回で免許取得できるよう頑張ってきます。何はともあれ、合宿から解放されてほっと一息です。

一緒に勉強したコたちの話、教官の話、この間に思ったこと、考えたこと、書き損ねていることは多々ある気もするんですが、とりあえず合宿の件はここでおしまい。今は卒検に受かっておうちに戻ってこられたことの幸福感で、胸がいっぱいです。