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2018-09-07

読書メモ:林雅之さん「デジタル時代の基礎知識『SNSマーケティング』」

コムニコの林雅之さんが著した「デジタル時代の基礎知識『SNSマーケティング』 『つながり』と『共感』で利益を生み出す新しいルール」(*1)を読んだ「感想」&「ん?」のメモ。

まず感想。

●タイトルどおり、SNSマーケティングの基礎知識がポイントを押さえて解説されている。これぞ入門書の王道という感じ

●文字も詰まっていないし、ページ数も200ページ足らず、本も小ぶり。気軽に読めて、一冊目にちょうどいい。一つのプラットフォームによらず、Twitter、Facebook、Instagram、LINEといった主要SNSを全部取り上げて解説しているし、語り口も軽快で、事例も図版も豊富でイメージしやすい

●こういうのが入っていてほしいという基礎知識が一通り構成立てられていて、手際よく解説されている印象。SNSマーケティングの何たるか、注目される背景、目標設定・投稿コンテンツの作り方・分析・運用・炎上予防&対策と、一連の関連事項が網羅されている。最後のおすすめツール紹介もGOOD。ありがたい

●「淡々と…」というよりは、基本的に「SNSはいいぞ!」というスタンスの語り口。オススメしている内容に、そりゃケースバイケースだろうけど…ってものもあるけれど、そういうのをいちいち書き込んでいくと、話がややこしくなり、文字量が増えて、入門書の良さがなくなってしまう。なので、ある程度割り切って「いいよ!」って言いきっているこうした本に、「必ずしもそうとは言えないんじゃないか」というツッコミは野暮というもの。そこから何を取捨選択し、何を応用展開させるか、何をより深掘りして学び調べるかは、読者に委ねられている。二冊目の本ではない。

●2018年2月発刊なので、他書に比べて情報も新しい安心感があって、良かった

次に、読んで「ん?」と思ったことメモ。

●Instagramってシェアできるのか?
p68: 「Instagramの表示アルゴリズム」に関わる要素として、Instagramの広報が「シェア(写真をシェアしたアカウントには興味ありと判断)」を挙げていると記してあるのだけど、Instagramってシェアできるのか?誤植?

●N=99の調査データって使えるものなのか?
p88-89:マクロミル/デジタルインファクトを出典とする「動画広告に対する反応」の調査結果があって、

媒体別に動画広告を視聴した人の反応を調査したところ、「視聴した内容を覚えている」と回答したユーザーの割合はSNSが20.2%で、他媒体に比べて最も高い結果

とあるのだけど、SNSがN=203(20.2%)、無料動画サイトがN=493(18.6%)、ニュース・ポータルサイトがN=213(14.6%)、キュレーションサイトやアプリがN=99(13.1%)の調査結果って有効?Nの差と絶対数の少なさが気になったのだけど、調査データ的には使えるものなのか?(そういうのに全然詳しくないので、ものは使いよう、それはそれってことなのかも)

●調理風景って書いてあるけど食事風景!
P91:瑣末すぎるツッコミなんだけど、「ユーザーから反応を得やすい動画の例」で、「美味しそうな料理の調理風景」ってキャプションがついているものの絵が、調理ではなくて、ナイフとフォークでステーキを食べている風景だったところに目がとまってしまった。われながら瑣末すぎる…

●利用ユーザーの盛り下がるタイミングで投稿?
P101:Facebookインサイトで、ユーザーが何曜日の何時にFacebookを利用しているのかが調べられる機能を紹介した後、

投稿後にすぐ「いいね!」やコメントがついた投稿は、その後リーチが上昇する傾向にあるため、利用ユーザーの多い盛り上がるタイミングを狙って投稿しましょう

と促しているのだけど、隣りに載せている「ファンがオンラインの時間帯」のキャプチャ画像は、日中ずっとオンラインのユーザーが多くて、21時を境に数が減少していく例。そこに「21時台が最適のタイミング!」って吹き出しがついているのは、なぜなのか、わからなかった…。上記の引用のアドバイスからすると、オンラインユーザーが増える朝6~7時に投稿するのが最適なのでは?と読めてしまったのだけど、これは私の理解力の問題なのか

●独立したものを折れ線グラフでつなげる意味は?
P137:消費者庁「平成28年度消費生活に関する意識調査」をもとに作成したとする折れ線グラフ。これは棒グラフのほうがいいのでは。消費者庁が提供した時点でこうだったのかもしれないけれど。

横軸が、15~19歳、20~24歳、25~29歳とか年齢別に分かれていて、それぞれの年齢層が「SNSでシェアされた情報がきっかけで商品購入orサービス利用した経験がある」率を縦軸で表しているのだけど、「15~19歳」と「20~24歳」の間に流れている線の意味ないよなぁと思うのだけど。これも私の読み方の問題かもしれないけれど、時々こういうグラフを見かけると、あれ?って思って未だ解決していない謎

以下、職業病的な文字校正メモ。

●P94:「情報収取手段」→「情報収集手段」

●P106:「その他のクリック(アイコン、ページ名、もっと見る、写真など)」→「その他のクリック(アイコン、ページ名、もっと見るなど)」※「写真」は、この上に「写真のクリック」が別途記載されているため不要では?

●P109:図9の中の「Instagramが定義するエンゲージメント」は、P108で

Instagramのエンゲージメントは、同社による正式な発表はありませんが

としている以上、「Instagramが定義する~」とするのは不適切では。「Instagramで筆者が推奨するエンゲージメント」とかに差し替える?

全体的に文字のおかしなところがすごく少なかったので、読みやすかったのも素晴らしい。

まとめると、SNSマーケティングをライトにざっと把握したい方の一冊目にお薦めだと思いました。

*1:林雅之「デジタル時代の基礎知識『SNSマーケティング』 『つながり』と『共感』で利益を生み出す新しいルール」(翔泳社)

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