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2017-11-30

共有メモ:事例に基づくデザインの法的保護最前線 #maxjapan

デザイン業務の関連法規に興味のある方への共有メモ(詳しくない人向け)。手元に記録として残しておきたいため、以下Facebookに投稿したものの転載です。

11/28にAdobeがパシフィコ横浜で開催した「Adobe MAX Japan 2017」に参加してきました。

SNSでつながらせていただいている友人・知人に登壇者、関係者、来場者もたくさんいらっしゃいました。大変お疲れさまでした。

終日イベントで、午後には参加者が3000人を超えたとかで、盛況でした。会場は、昨年度の2倍の大きさだとか。

イベント全体もバブリーで、基調講演には「現代の魔法使い」として注目される落合陽一氏を招聘。
午後は、50分のセッションを8つのブースを構えてパラレル開催していく構成で、講演ブースに囲まれた中央部に展示・飲食スペースを設け、暗がりの中を参加者が往来して、終始賑わっていました。

私の参加目的は、Adobe XDを具体的イメージをもって理解するという初歩的なもので、すでに各種メディアを通じて得られる情報ばかりなのですが、ちょっと横道をそれて受講した「事例に基づくデザインの法的保護最前線」が面白かったので、以下にメモを共有させていただきます。

※法律に詳しくない人向けです。
※自分用メモのため、登壇者の話の順序はこうはなっていない&書き漏れたくさんあり。
※写真は、とりあえずこちらで

「事例に基づくデザインの法的保護最前線」
レクシア特許法律事務所 弁理士 松井宏記氏

▼デザインを法律で保護する
デザインの保護には戦略が必要。プロダクトデザイン、パッケージデザイン、GUIにフォーカスして、何をどうやって保護するのか(意匠権、商標権、不正競争防止法、著作権の使い分け)を、たくさんの事例を使って、大阪弁トークで軽快&分かりやすく解説くださった。

▼そもそも松井さんとは
・登壇者は、弁理士のレクシア特許法律事務所の松井宏記さん
・弁護士は「人」の代理人、弁理士は「物」の代理人だとか
・弁理士は1万人以上いるが、9割がたが技術特許を扱っている。対して松井さんはデザインとブランドを扱う1割
・クライアントは企業、デザイナー個人、外国人や俳優も

▼「ぱくってる」じゃ勝てない
・なんとなく似てる…とかじゃ裁判で勝てない
・「何の法律で守れるのか」を知る必要がある
・「何を」ぱくってるのかに話を展開するためには、知的財産権の種類を理解する必要あり

▼知的財産権の種類(★写真1)
・意匠権は「デザイン」の話、商標権は「ブランド」の話

▼意匠権の保護対象
・工業デザイン、GUI、パッケージデザインは対象
・フォントやインテリアデザインは対象にならない

▼意匠制度は「登録&先願&審査」主義
・意匠権は(著作権と違って)特許庁への出願が必要
・早く出願したもの勝ち
・日本、アメリカ合衆国、韓国(一部)、台湾は審査があるが、中国やヨーロッパ、韓国(一部)は審査がない。日本は審査が丁寧なほう
・世間に発表する前に、あらかじめ出願しておく必要がある

▼著作権では、プロダクトはほぼ守れない
・作った時点で登録せずとも権利が発生するのは著作権
・でも著作権で守れるのは、彫刻とか絵画とか、グラフィックデザイン(ポスターとかキャラクターとか)
・プロダクトは著作権では守れないので、きちんと出願する必要あり

▼意匠権で守れるのは20年
・20年過ぎると、デザインの権利を守れなくなる
・そこで、今度は商標権に乗り換えて守る。商標権をとると永久になる
・もうじき意匠権が切れてしまうという場合は、商標権を取って対応

▼商標権の保護対象
・保護対象は、文字、図形、立体(★写真2)
・ロゴとかマークとかキャラクターとか、パッケージとか、画面の展開?とか、アイコンとか(★写真3~6)
・「関連意匠」として、近しいものも保護対象にしたり(★写真7)
・Hondaのスーパーカブは乗り物で初。立体商標として登録されたのを記念して限定モデルを発売するなど、定番商品のPRに使うやり方も(★写真8)

▼新しい商標権の対象(★写真9~12)
・音…テトリス(BGM?)とか、Mac立ち上げ時の「じゃーん」とか、プレステの「じゃん!」とか
・色…レッドブル、ダイドードリンコ、キャベジンなど、日本の第一号はセブンイレブンと、トンボ鉛筆の消しゴム
・あと、動き、位置(ハイヒールの裏側が全面赤いの)、ホログラム

▼不正競争防止法だけでは守りきれないことが多い
・不正競争防止法は、プロダクトの販売開始から3年しか守ってくれない
・でも、ぱくった問題はだいたい、隣国から安く入ってくるなどして、販売開始から2年後くらいに出てくる
・残り1年、逃げ切られることが多い
・また販売しなければ、不正競争防止法の保護対象にない
・iMacがe-Oneを訴えて勝ったのは、青白半透明(スケルトン)で、PCとモニタ一体型が当時斬新で、iMacが有名だったから。ちなみにe-Oneは、これの意匠権は登録できていたが、不正競争防止法でNGが出た
・不正競争防止法は、こうした事実があると強い。テレビCMは必須と考えたい。CM打てるほどでなければ、不正競争防止法に頼らず、意匠権・商標権で保護策をとるべき

▼だいたい問題になるのは、権利を取っていなかったから
・意匠権や商標権をとっておけば、権利侵害があっても解決しやすい。ないとお手上げ
・だいたい問題になる(相談を受ける)のは、パクリが出てきたけど出願していなかった。保護したいものはきちんと出願しておくこと

▼おまけ
一通り聴いてみて、なんか問題があったらとりあえず松井さんに相談したい感がものすごく残って、いやぁ、お見事…と思いました。お一人、同業ではなく顧客潜在層が集まる大型イベントに乗り込んでプレゼンしている人感があって異色のエネルギーを感じました。

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