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2017-10-20

伝えたいことがある

一昨日の晩は「セガゲームス社員のキャリア話」というイベントだった。私は第1部(概論)の講演20分と、第2部(トークセッション)では事前に登壇者お三方のインタビューを行って、当日の50分枠を構成だてる構成作家(ってなんだかわかっていないけど)のような仕事を担当(本番は会場後方で応援)。

どちらの役割も(過剰な)期待に応えられるか不安抱えつつだったけど、それぞれに独特の面白さと私なりの挑戦があり、楽しくお仕事させていただいた。当日もなかなか良い感じに進んで、懇親会にも多くの皆さんが残ってくれて盛り上がり、イベントは成功裏に終わった。ご参加者、ご関係者の皆さまに感謝。

ところで、今回は準備段階から当日登壇する直前まで、頭のなかに何度か思い出されるフレーズがあった。あれはいつのことだったか、ちょいと年上のお姉さまと二人で飲みに行ったときに言われたひと言だ。「はやしさんは、伝えたいことがある人だと思うよ」、彼女は私にそう言った。

そのときは確か、私が「基本的には裏方仕事のほうが性に合うし、目的や対象者や実施条件を踏まえて、それに適った仕組みを裏方で構造化する仕事が面白いと感じる」みたいなカクカクした話をしていて、それを聞いた彼女の切り返しが先のひと言だったと思う。

そう切り返されたとき、すーっと、そうかもなぁと思うところがあった。ただ、その後に続く彼女とのおしゃべりで私が認識したのは、私には確かに「伝えたいことがあるようだ」という一方で、「それを自分で伝えたい欲はさしてない」ということだった。

伝えたいことが、伝えたい相手に、しっかり効果的に伝わることにプライオリティがある。そのために、より適した語り手・場面設定をデザインすることに、私がしたい仕事の核がある。そして、だいたい私が採用したい語り手が、私になることはない、別の誰かだ。そういう意味では、やっぱり裏方のほうが自分の自然な役割選択なんだろう。

そんなことを再認識した飲み屋話から、また何年か経ち、今回まれな登壇機会をいただいて準備している中、彼女の言葉がふいに思い出された。が、その言葉には今回、ちがう含みがあった。自分には、裏方仕事を好む自分のほかに、「自分が伝えたいことを、自分で伝えたい」という思いや事柄もあるのかもしれない。それはそれで、別に認めていいよなと。まぁ考えてみたら、個人に「いろんな面がある」「いろんな時がある」なんて普通のことなのだ。

そんなことを考えたりしながら準備して臨んだ本番。今回ご参加くださる方に自分が伝えたいことを素で話すという気持ちを大事にして話せて、薄っぺらい殻を一枚やぶれた気がする。話の上手い下手とはまた別の話なので、あくまで個人的な感覚だけど、悔いのない形でお話しできたのは良かった。

あと、本番を終えて冷静に振り返るに、「私が伝えたい&話せること」というのは限りなく狭く、また部分的だということ。これをしっかりわきまえておきたい。5分枠であろうと、30分枠であろうと、私の話がはまるのは大概、全体の中の「前説」に位置づけられ、どう「前説」として機能させられるか、いかに「本編」に効果的につなげられるかが肝だなぁと。

そうやって考えてみると、普段からクライアント案件でやっている研修開始時の「前説」と同じで、登壇者という位置づけになっても、相変わらず黒子である。つまり裏とか表とか関係なく、全体構造の中に、うまく自分を配役して役割を果たせるよう日々精進と。そういうことなのだ。だいぶややこしいひとり語りを書き連ねてしまったので、そろそろ。

今回、ご参加の皆さんも素敵な方たちで、だからこそ得られた気づきや思いもいろいろあった。第1部の話し始めから20分ほどの講演時間、ずっと顔をあげて目を合わせてくださる方が多く、時おり頷いたり表情も豊かだった。私がほぼほぼ一方的に話しかける体裁だったのだけど、こちらが伝えたいことを、正面から汲み取って言葉を吟味してくれているような顔つきで、そのキャッチボールがすごくありがたかった。時間もちょうどに話し終えられて安堵。冒頭、頭が真っ白になって5秒ほど間をおいていたのも誰にも気づかれていなかった。よかった…。

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