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2016-11-03

見積書の「単位」の選び方、「人日」の必然性

昨晩、ボーンデジタルさんが主催する無料イベント「ヨルカイ」シリーズ( #yorukai )の第1回に参加してきた。「夜会」と「寄るかい?」を掛けたタイトルだとか。平日晩に開かれる1時間半のこぶりなイベントで、名前のとおり良い感じにラフな雰囲気、参加しごこちが良かったです。益子貴寛さん(株式会社まぼろし 取締役CMO)がホスト役で、各回ゲストを迎えて今後2ヶ月に1回ペースくらいで開催していければとのこと。

第1回 ヨルカイ powered by Web検定
http://yorukai.connpass.com/event/40532/
※ヨルカイは、Web業界にまつわるさまざまな話題の中から、毎回ひとつのテーマについて、第一線で活躍する方々をゲストにお招きする対談形式のトークイベント

昨日のテーマは「見積書のホンネ」で、ゲストはたにぐちまことさん(株式会社エイチツーオー・スペース 代表取締役)。お二人とも人前で話し慣れているので、会場の空気づくりにも手練の業を感じる。

話の中身は非公開っぽいところもあるようなので書き控えるとして、話を聴きながら考えた、見積もりに関する個人的メモを残す。会場で発言を求められて、マイクを通して一応説明したものの、うまく言い表せなかった「人日」を使うときの必然性、「単位」の選び方を中心に。

そういえば、見積書のサンプルを見せてもらっていて気になったのは、見積書には「単位」の欄があったほうがいいのでは?ということ。「数量」だけだと、「人日」なのか「人月」なのか「点数・個数・回数」なのか「一式」なのかが一目でわからず、きっとこうだろうまでしか至れないので。

閑話休題。単位に「人日」を使う必然性みたいなことを後から振り返って自分なりに整理してみた。普段は感覚的に、今回はこれで示すのが妥当だろうという感じで「単位」を使い分けているので、言いえていない論点もある気はする。

【1-a】「数量」をモノの分量で示す(単位:個、点、回など)

1a

客の立場からすると、個数・点数・回数といった分量で「数量」が提示されるのは具象的でわかりやすい。だから、まずはモノの分量で表せるか、そう表して支障ないかから、考えてみるといいのではないか。

それで事足りるなら、お客さんも分かりやすいし、見積もりの増減調整もやりやすい。「こんなに予算は割けないから、圧縮するならどこかなぁ」というときに、項目をまるっとトルか残すかって選択だけでなく、数量を減らすという微調整レベルで先方と話し合いやすい。あるいは、制作するページ数が増えたとき、撮影したり制作する画像点数が増えたときなどにも、「数が増えるので、見積もりも高くなります」というふうに交渉を持ちかけやすい。ならではの交渉の難しさを負う面もないではないが。

【1-b】「数量」をモノの分量で示し(単位:個、点、回など)、「項目」をレベル分けする(難度A、B、Cなど)

1b

【1-a】の見積書だと、同じ「HTMLページ」を作る仕事とはいえ、その難しさに幅があるという場合に困る。そうした場合、たにぐちまことさんが紹介していたように、別紙で各HTMLページに難度A/B/Cランクをつけた表を作成して、A/B/Cそれぞれに何ページ制作するのか集計。それをもって、上のサンプルのように「項目」のところでレベル分けし、「数量」のところにページ数を振り分けて入れる。

【2-a】「数量」をコト一式で示す

2a

【1-a】【1-b】のようにモノの分量で示すのが難しい仕事もある。とはいえ、考えたりドキュメントを作成したりと、その案件のために働くことは確か。それはそれできちんとお金をいただきたい。というときに、「数量」を「一式」として提示する方法を採る。

【2-b】「数量」をコト人日or人月で示す

2b

しかし、【2-a】のように「一式」でまとめられるのにも、金額的に限界があるのではと思う。お客さんの感覚次第だけど、例えば日頃取り扱う予算が数十万から百万単位のクライアント担当者に対して、「◯◯費:単価600,000円×1式=金額600,000円」というのは、ちょっと雑な金額提示に感じられる。そこはもう少し「一式」を分解して「これこれこういうわけで」というのを示したい。

とはいうものの、見積もりを書く段階では、この「項目」以上に細かく項目立てしてボリュームを見積もることが難しい(細かく項目立てられても、数量が書けない)とか、どういうアプローチでそのタスクをこなすか、手段・手法を選ぶかはプロジェクトを進めながら考える(細かくした項目名が、現段階では書けない)といったことがある。

そこで「人日」「人月」の出番。「一式とするにはちょっとまとまった金額すぎる…」けど、「項目を、これ以上分解して提示するのも現段階では難しい」というとき、「まぁ、この規模、この難易度、この複雑さ、この予算感だったら、おおよそ単価いくらの人が何日動く感じに着地させるだろうと見積もります」という今精一杯の現実的な見積もりの提示。それで「3人日」とか「3人月」とかいう数量を割り出し、「一式」よりもう一歩踏み込んだ具体的ボリューム感を示す。

日頃はわりと感覚的にやっている「単位」の選択ながら、暗黙的にやっているのはこういう手順かなと思ったのだけど、どうだろう(長くだらだらつきあわせて、すみません…)。で、現実的にはわりと【2-a】【2-b】を使うことが多いと。

いずれにせよ、会場で挙手アンケートをしたときには、単位を組み合わせて使っている人がさほどいなかったのだけど、適切なものを組み合わせて使ったほうが勝手がいいだろうなと思う。上のステップは、けっこう適当に書いているので…妥当かどうかはわからないんだけど。

あと、会では【2-a】【2-b】で表すような項目に、打ち合わせ費や電話・メール・チャットなどを使ったコミュニケーションコストものせておくのが良いという話があった。「打ち合わせ費」を項目立てて提示するのは、客側がなんとなく受け入れがたいという心情的なものもあるが、ほかに、それが減額交渉の的になると「打ち合わせ回数を減らすから安くして」という話にもなる。それによって、うまく合意形成や認識すり合わせができなくなってしまってはコスト高になるばかり。私も打ち合わせ費用は、各工程の項目に含めて書くようにしている。

「能力や市場価値の向上とともに、単価を上げていく妥当性はあれど、実際に上げるタイミングは?」とか、「曖昧な相談対応を、無償から有償へと切り替えて案件化するタイミングは?」といった、個人的に聴きたかった話まではなかなか至らず、懇親会に参加すれば良かったと後悔。有名な人がたくさんいるとびびって後ずさる癖を来年はどうにかしたい…(早くも来年に託す夢)。

いろいろ考える機会をいただけて、有意義な会でした。ご登壇者、ご関係者、ご参加者の皆さま、ありがとうございました。

注釈)Webサイト制作を生業としていないため、サンプルの項目名や値づけの妥当性はあまり気にしないでください…。

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