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2015-12-13

「UXまとめ 2015」参加メモ

一昨日は「UXまとめ 2015」( #uxmatome2015 )というソシオメディアさん主催のイベントに参加した。まさに、2015年のUXデザイン&ビジネスまわりが俯瞰できる講演を伺えて良かった。その後、みんなで学級会的なノリでお話しできたのも、懇親会で講演者の上野さんに質問できたのも、10人くらいで中華屋さんに行ってゴハン食べながらわいわいおしゃべりできたのも楽しかった。非常によい時間を過ごせて、主催者にも、お話しさせていただいた皆さんにも感謝。久しぶりだったな、あんな時間をもったの。

講演内容はSlideshareに上げてくださっているので、ご興味のある方は下の「講演名」からリンク先へ。

上野学さんの講演は「UXとデザイン まとめ」。

混迷するUXの定義なり人々の解釈なりを整理して捉えるのに、これ以上ないという内容。意味も使われ方も動き続ける今にあって、厳密に「UX」という言葉を一つに定義づけようとするより、世の中で今どんなふうにその言葉が使われているのかというThe Sound of UX(UXの語感)を捉えたほうが実務的に有意義である。

というところに立脚して、実際に上野さんがコンサルティングの現場で触れてきたUXという言葉の使われようを、包括的に整理して示してくれている。これが実におもしろく、わかりやすく、頭の中をすっきりさせてくれるもので秀逸!だった。「あぁ、あるある」という10個くらいの使われようを挙げていて、混迷具合もよくわかった。

押さえておきたいポイントとしては、
▼UXの「様々な定義からうかがえるポイント」として、
・主観性
・消費者とユーザーを対象とする(つまり製品ライフサイクルのすべてを包含する長期的レンジのものである)
・品質特性と感性特性の関与
・テクノロジーの活用(←これは上野さんがご自身の見識から導いた観点)

▼UXは
「人工物(Artifact)に対峙したときに人(Human)が体験するもの」

篠原稔和さんの講演は「UXとビジネス まとめ」と題して、ビジネスの観点から動向を共有くださった。UXまわりでいろんな言葉や概念が見聞きされるけれども、それを
・思想(理念)
・メソッド(方法論)
・手法(具体的な手段)
に分けて理解すると整理しやすい。

米国にも1ヶ月ほど滞在して動向調査してこられた経験から、潮流の一つとして「リモートUXリサーチツールの隆盛」を挙げていた。

専門分野というのは、まず専門家が出てきて、普及過程で専門家ならずとも扱えるツールが出てきて、一般化し裾野が広がる道筋をたどるけれども、この話を聴いて私が思ったのは、となると専門家の仕事もそれに影響を受けるよなということ。

ツールでできることはツールに仕事を譲ることになるわけだから、専門家の仕事はツールの普及とともに変化を迫られる。そのツールを開発して売る道筋もあるだろうし、より高度で複雑な領域をコンサルタントとして預かる道筋もあるだろうけれども、ソシオメディアさんは後者だと思うので、どんなふうに引き受ける仕事が変化しているのかも、講演後に上野さんにお話を伺ったりした。実際そうしたことは起こっていて、クライアントの組織デザイン、人の採用や育成のほうまでサポートされているとか。

フリーディスカッションでは、なんだかんだほとんど全部が、UXデザインの意義なり価値なりを、どうわからない人(決済者や関係するメンバー)にわかってもらうかという議論だった気もして、参加者が現場でいろいろ苦労している様子がうかがえた。

外野の私としては、つまるところ「相手に合わせて個別最適をして可視化・言語化して、適切なタイミングをつかんでそれを示す」ことに尽きるんだろうな、という印象をもったが、現場の人からすれば、ざっくり言ってくれるなよということだろうな、とも思う。

それでもとりあえずざっくり言ってしまうとすれば、
・数値化できて、ビジネスゴールに対するKPIとして妥当なものが出せるなら、もちろん出せばいいし、数値化できるからというのでビジネスゴールに通じないKPIを無理やりこさえても意味はない。それなら立てないほうがいい。

・数値化しなくても、ユーザーテストの現場に決済者を呼んで高校生が使えない状態を目の当たりにさせるとか、それを撮影して見せるとかっていう定性情報によっても、UXデザインに関心を示さないことがいかにビジネスインパクトのあることかをショック療法的に示すことはできる。数値化できないからというだけであきらめずに、定性的に示せる可視化・言語化の方法を探るのは重要だ。

・定性でも定量でも今はとにかく相手の理解を得られない状態にあるとして、それでも自分が意味があると思ったら、言わないでやる。へたに説得しようとしないという話も。こっそり自分が頑張れる範囲でやって、成果を出したらその時点で、背景にある取り組みとの因果関係を示して取り組みの価値を理解してもらう。「見たことがない何かを概念で説明して、なるほど!となる人は少ない」という意見には、ただただ頷くばかりであった。

とりあえず、参加雑感などメモ的に残す。

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