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2015-10-15

セミナー登壇時の自己紹介

最近はセミナーや勉強会などの場で、多くの人が「人前で話す」機会をもつようになりました(気がする)。その際、話し始めに定番の「自己紹介」を、自分の実績をひけらかすようで嫌だといって一切省く(とか、あえてはぐらかす感じで話す)人がいます。

もちろん、ライトニングトークなどで話す時間が短く、すぐ本題に入ったほうがいいとか、聴き手が全員知り合いなので割愛するとか、はずしてこそツカミになるとか、それが妥当な場合もあるので一概には言えませんが、自己紹介が話し手の「自己アピール」や「権威づけ」の機能しかもっていないと考えている方があれば、「聴き手にとっての働き」をプチ共有したいなと思い、ペンをとりました(実際は、朝の通勤電車でスマホをぽちぽち)。

聴き手にとって、「自己紹介」はどのように機能するのか。話すテーマは一緒でも、話し手のプロフィールによって、その話の伝わり方は大いに変わります。

「研究者」が理論とか学問的な見地から話すのか、「実務スペシャリスト」が自分より長い期間、たくさんの量をこなしてきた経験から見えてきたメソッドを語るのか、自分より大規模・長期間のプロジェクトをこなしてきた経験から「大は小を兼ねる」で汎用的に役立つエッセンスを語るのか、経験も知見も聞き手と同等の「仲間・同志」がプチ共有や問題提起がしたくて語るのか。

聞き手は導入部で、話を聴く態勢を整えながら自己紹介に耳を傾け、「話し手と自分の共通点と差異」と「今日の話のテーマ」を自分の中に位置づけていくわけです。つまり、自己紹介とは話し手と聞き手の関係づくりの時間と言えます。

例えば、私が組織の人材育成プログラムを設計する専門家として、ある組織のOJTトレーナー向けに「新人への教え方」をテーマに話をすることになったとします。そうすると、その知見から「人に教えるノウハウ」とか「仕事を教えるノウハウ」といった切り口でネタ提供はできます。一方で、現場で新人を何十年と教えてきた立場で話ができるわけではありません。

立場によって、話し手が伝えられること、聴き手に伝わることは、大きく違うわけで、こうした自分の立場をメタ的に捉えて、導入部で聴き手に共有すると、お互いが能率よく関係を構築して、本題を授受していくことができます。

なので、話すテーマに関して、「自分は何者であって、その立場からどんな話ができるか」を伝えるとともに、「自分は何者ではない、ゆえにどんな話はしない(できない)」という自己紹介をして、そこから自分が今日話すテーマの焦点や構成を説明する流れにもっていくと、聴き手も構えがとりやすいと思うのです。

「自己紹介」→「本日話すこと」という流れは、話の導入部の王道ですが、王道には王道なりの意味があって、「自分はこれこれこういう人間だから、こういうスタンスで皆さんにこの話をしますよ」という流れを汲んでいるんだなというふうに改めて解釈し直してみると、王道たる意味を十二分に活かした話ができるかなと思います。

これまで、「自己紹介は恥ずかしいし、知りたきゃ後でネットで調べるだろ」と思っていた方も、もし「話すテーマを、冒頭でよりシャープに聴き手と共有する」のに使えそうだなと思ったら、ぜひ自己紹介をその素材に使ってみてください。

ちなみに、これは割く時間の長さを問うものではありません。30秒で事足りることもあるかもしれません。

自己紹介で、何を話し、何は取り上げないかは、そこで働かせたい機能を考えてみると、その時々でいろいろフォーカスの当て方が変わってくると思います。いつも同じ自己紹介をしている方は、話す内容と聴き手の変化に応じて、中身を変えてみるとよいかも。以上、朝の走り書きを昼休みにアップ…、この間ふと思ったことのプチ共有でした。

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