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2015-07-14

ゲストの役回り

うちの会社には、同じ派遣元会社から来ている派遣社員の皆さんが企画してやっているランチ会というのがある。毎回うちの社員1人をゲストに迎えて、4人でランチをするというのが周期的に行われている。という話は、風の噂に聞いたことがあった。とはいえ、いつも端っこで仕事している自分に番がまわってくるとは思ってもいなかったのだけど、回を重ねてきたこともあってか、この度なんと自分に声がかかった。

ある日ゲストはランチ会のお誘いメールを受け取り、会の趣旨と仮日程が提示される。OKであれば、ゲストがお店を決めて、その日みんなをランチに連れていく。お金は各自負担。かしこまった会ではない、まぁ普通のランチだ。当日は、お三方からいろいろ質問をいただいてあれこれおしゃべり、ゲストは最後に次のゲスト(別のうちの社員)を指名して解散。会の主催者が、次のゲストに突撃メールを送り(指名した前回ゲストをCcに入れて)、次回ランチの承諾を得る。いわば昔の「笑っていいとも!」方式。確かに、こうすると自然に循環してうまく継続できるな、なるほどと思った。

しかし、いざ自分となると、当日を終えてみるまで、私相手で間がもつのかどうか不安だった。私はコンテンツホルダーというより、編集者の役回りで生き(のび)ている。素敵なコンテンツを内にもっている人たちから素材を引き出して、それを編集して世につなげる仕事。プライベートでも、いろんな魅力を内在化している人たちの話を聴いたり読んだりして、それを自分なりに咀嚼したり解釈して味わったりフィードバックを返すのが日常だ。だから、人から自分にコンテンツそのものを求められると、空っぽの自室を眺めて腕を組み、うーむと立ち尽くしてしまう。

こういうのって入れ子構造のようになっていて、何かの分野で「編集」経験を積み重ねていくと、そのノウハウが「コンテンツ」になる、みたいなところがあるのはわかっている。だけど、そこに至るにも私の場合まだ道半ばなんである。

さらに歳をおうごと主義主張から解放されていき、人の価値観に寛容になる一方で、自分発で訴えたいことが希薄になっている感もあり。強い問題意識や生命力をもつ人と出会って、そうした人たちに共鳴することで熱量を発生させて事に仕えるというように、人に生かされているようなところが多分にある。

まぁ今回の会を逸脱して話を飛躍しすぎなのだが、とにかく楽しみ半分、役を全うできるか不安半分で行ってきた。で、結果的にはけっこういろいろ話ができてほっとした。多岐にわたる質問をふってくださったこともあり、また私もこの場では自分が話す時間が比較的長いほうが成功ということになるんだろうなと思って、できるだけしゃべってみたりもして。

私は裏方稼業で、場づくりや配役は本業なので、自分がどう立ち振る舞うと、この場の成功に寄与するかというのは、公私問わずけっこう考えてしまうのだ。自分が自分に割り当てた役を見事なパフォーマンスで終えられたことはないが…。

しかし中盤に「特技はなんですか」という質問があって、これには一瞬考えこんでしまった。うーん、特技、それがこれといってないから、こういう役回りで生きているような気もする…。とはいえ、ここは何かしら答えたほうがいいだろう。しかし分かりやすいものはこれといってないわけだから、ここは割り切って、ぼんやりした回答でも一つしゃべってみようと、思考をたどるようにして思いついたことを口にしてみた。

「えーと、人が内心で思ってることを汲み取るのは、比較的得意だと思います」と、まぁそういうようなこと。で、言ってみたら、あ、でもそうじゃないかも、と思い直して言葉を重ねる。「あ、というよりも、人が内心こう思ってるかなというのを実際に汲み取れたふうなことが続いても、自分が相手の内心を汲み取れているに違いないと思い込むことなく、毎回もしかしたらこうかもなというくらいで、相手の内心を決めつけずに留められることかな。自分には、相手のことはわからないのだという前提を持ち続けられること。自分におぼれないとか、おごらないとか、その辺りが得意です」と、さらにもこもこした返しをしていた…。

一時的に、話しながら自分の中で自問自答するような感じになっていって、そうだな、むしろそっちかなぁとか一人合点してしまい、伝わったのかどうなのか質問してくださった方の目も確認せずじまいになってしまった…。まったくもう、目の前でおぼれながら「自分の特技はおぼれないことです」と答えていたようで恥ずかしい…。

それを除いて全般振り返るに、たわいもない笑い話ばかりで実のある話はなかったと思うけれども、まぁ時にはそんなのどかな回もあっていいだろう、と勝手に納得した。私にとっては、新鮮で楽しい時間になって感謝、感謝であった。

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