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2014-10-23

どう実行できるかの4階層

私たちが普段「スキル」と呼んでいる心的手続き(何を知っているかではなくて、どのように実行できるか)は、4つの階層に分けられる。下から「単一ルール」「アルゴリズム」「方略」「マクロ手続き」と高度になっていく。これを理解するのに、日頃お世話になっているコンビニの仕事で考えてみた。

スキルの4階層図

単一ルールというのは「〜なら、こうする」という"if-then"の組み合わせで1セット。複数の手順を含まないルール群も含む。

コンビニのレジで、お客さんが店内に入ってきたら「いらっしゃいませ」と挨拶する。これで1セット。お客さんが店外に出て行く時は「ありがとうございました」と挨拶する。これで1セット。こうしたルールが集まって、ルール群をなす。

一つひとつの基本的な「〜なら、こうする」ルールが身についていないと、仕事にならない。

2階層目のアルゴリズムは、このルール群に固定的な手順を与えたもの。この手順は通常変わることがなく、決まった一連の流れを経て決まった結果を生む。

お客さんを「いらっしゃいませ」と迎え入れて、レジで商品を読み取って合計金額を伝えて、お客さんがお金を用意している間に商品を袋につめて、お金を受け取って、おつりを返して、「ありがとうございました」と送り出す、みたいな一連の手順で売上を上げる。

もう少し小さい単位で考えるなら、お客さんが冷たいものと温かいもの合わせて持ってきたら「袋分けますか?」と尋ねる。分けたいという返答だったら2つに分けて入れる、分けないでいいという返答だったら1つにまとめて入れる。「あれしたら、これして、あれする」という一連の固定的な手順、流れがある。

こういうひとまとまりのルール群は、どんな職務にも大小いろいろとあり、一連の基本的な流れを覚えて動けるようでないと、なかなかまとまった仕事にならない。

3階層目の方略は、アルゴリズムのように決まった手順をもたないもので、全体の流れの中で適宜使われる一般的なルール群。

レジ仕事にもいろんな段階があり、いろんなお客さんが、いろんな組み合わせで商品をもってくる。その全体の流れの中で、必要なルールを状況にあわせて組み合わせて適用する。必要ないルールは持ち出さない。

このくらいのボリュームだったら、袋は中サイズ。おにぎりとお惣菜とヨーグルトだったら、お箸とデザート用スプーンをつける。パスタや丼ものが来たら電子レンジで温めるか訊く。大きくて柔らかいものと小さくて重たいものは袋を2つに分ける、タバコの場合は云々、切手の場合は云々、カード決済のときは云々、宅配便のときは云々…。状況にあわせてその場でルールを組み合わせる。

一番上のマクロ手続きは、多様な成果や結果を生む強靭な手続きで、相互に関係する多くの手続きを実行する。ビジネス界で言われる、ソリューションとか問題解決とかの領域と考えたら良さそう。

コンビニの例だと、お客さんの好みとか、急いでるとかのんびりしてるとか、コーヒーマシンやコピー機の前で困ってる人がいるとか、レジは今混んでるとか空いてるとか、店舗売り上げが最近好調だとか厳しい時期だとか、そろそろクリスマスケーキとおせち料理のご予約承りますだとか、このお客さんは家に帰るだけだからおしぼりなしで、このお客さんは残業っぽいのでおしぼり入れてあげようだとか、あらゆる状況を踏まえて今最適な動きを手際よく決めて立ち回れるってことになろうか。

ともかく、下3階層のスキル(単一ルール/アルゴリズム/方略)は、練習によって自動化、無意識化ができるとされている。いずれ機械にとって変わられかねない。一方、一番上のプロセス(マクロ手続き)は、意識的に行う領域とされている。

何年やっていても頭に汗かいて難しいなぁ難しいなぁと思いながら苦悩する仕事があるけど、これはそもそもどんな玄人がやっても、自動化されず意識的にやっているところなのだと思えば、いくらか慰められる。今日も頑張ろう。

ちなみに、これから寒くなるので、コンビニのレジでは次のアルゴリズムをぜひ採用いただきたく。温かいもの、冷たいもの、常温のものが合わせて提示されたら、袋を分けなくていいと返答された場合にも気を抜かず、温かいものと冷たいものの間に常温のものを挟んでレジ袋に入れる。あったかいお茶と、冷たいヨーグルトの間に、常温のおにぎりを挟んでくださる店員さんは、私の経験上4割程度。でも、これはアルゴリズムの領域と思うので、一度覚えたら大丈夫なはず。切望。

※一連の定義説明は「教育目標をデザインする -授業設計のための新しい分類体系」R・J・マルザーノ(北大路書房)参照。

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