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2014-08-24

ことのおこり

ちょいと思ったことメモ。人間というのは、アンビバレントな感情をもつ生き物だよなぁとよく思う。アンビバレントというのは「同じ対象に対して、愛と憎しみといった相反する感情を同時に、または交替して抱くこと」。

個人の内面においてもそうだけど、集団においても。ある集団が「肯定派」として台頭してくると、なんとなく否定的にみる意識が他のところで生まれていって、バランスをとるように「否定派」の集団が形成される。これはもう自然現象といっていいのではないかという感じで、どこかで何かひと盛り上がり起これば、このように展開するのが人の常なんだろうと思う。

難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者への支援を表明するチャリティー活動として、頭から氷水をかぶる「アイス・バケツ・チャレンジ」が話題だけれども。あの話でいうと、はじめは、例えばマーク・ザッカーバーグが氷水をかぶっていた頃は、その動画を見た大方の人がニコニコとそれを眺めているふうだった。少なくとも、これに明らかな嫌悪を表明する人は周囲に見られなかった。

けれど、それが他へ続いて、続いて、続いて…という辺りで(これがどれくらいの期間かはものによるが)、自然とこぼれるニコニコが消えていく。批判する意見が出てきて、否定派が一定以上の集団として確認できるようになる。

この件に限らず、ひと盛り上がりあって、その期間が長くなって数が増えていくと、人は対極の感情を育てだす生きものなのだな、と思う。引き続きニコニコしている人も、よく考えてみた上で、意志を持ってニコニコし続ける、みたいなことになってくる。

ある主張が出る(肯定)。すると必ず、対立する主張が出てくる(否定)。そうすると、どちらも一理あるけど、どちらも少し間違っているという人が出てきて(否定の否定)、2つの対立する思考に橋渡しをする人が出てくる。

今回の件だと、ALS以外の難病患者への支援や、広島の土砂災害への支援、自分のごく身近にいる人たちへの支援を啓発する活動に発展してきている。

ヘーゲルは肯定を「テーゼ(定立)」、否定を「アンチテーゼ(半定立)」、否定の否定を「ジンテーゼ(総合)」と言い表した。テーゼとアンチテーゼの緊張関係は、ジンテーゼによって発展的に解消される。

そうすると一般には、ジンテーゼを生んだ人に賞賛が集まる。けれど、テーゼとアンチテーゼの発言や活動なくして、私たちはジンテーゼにたどり着けなかったとするなら、その一つひとつがきっと大事なことなんだろうと思う。

みんながいろんな主張をもっていろんなことに対処していって、その一人ひとりの活動が、歴史を振り返れば、テーゼだったりアンチテーゼだったりジンテーゼだったりに振り分けられることになる。

時には多少の小競り合いもしつつ、数ヶ月なり、数年なり、数十年なり、数百年なりで、ジンテーゼは新たなテーゼとなる。そうやって私たちは歴史をつくってきた。古くは紀元前400年代からこうしたトリオ思考法というのは確認できて、人類はそうやって成長してきたんだなぁと思うと、感慨深い。

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コメント

深く共感しながら読ませていただきました。(あ、久しぶりのコメントになってすみません。。(>_<))
実は氷水バケツリレーの話題を今日ブログに書こうかなと下書きまではしていたんですが、やっぱりこういう話って肯定派と否定派に分かれ、自分と違う意見の人には不快になるだろうなと色々思って書くのをやめました。
テーゼからアンテーゼ、そしてジンテーゼの位置づけがよくわかりました。
氷水バケツリレーに関しては、いまアンテーゼの方が集団化しているところでしょうかね。そのうちにジンテーゼが出てくるのか。。いずれにしてもあと数日のことかなと思いました。

友人に、親御さんがALSを発症した人がいて、彼女が先週、
あの氷水バケツリレーは、面白がっているようにしか見えず非常に不快だし、親にはとても見てほしくない、、と言っていました。
実際には多額の寄付金が短期間で集まっているようなので成功ともいえるのかもしれませんし、反面、そのように心痛める人もいるのですよね。

ベルさん、コメントありがとうございます。すみませんだなんて、いやいやまったく。
こういう類いのものは、いろいろな方のおかれた状況や価値観によって感じ取り方が違うから、なかなか話題にあげるのも難しいですよね。
しかも、ご友人の親御さんに患者さんがいらっしゃるとは。私は身近に知る人にいなかったので、その方が最も近しい方として表れ、感じるところ深まる思いです。

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