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2014-05-12

歯ブラシと愛着と

私は歯ブラシを3本所有している。家の、会社の、カバンの中ので3本。日に、だいたい5回磨いている。朝起きてすぐ、会社で朝ご飯を食べた後、昼ご飯を食べた後、夜ご飯を食べた後、寝る前で5回。

健康・美容には極めてずぼらな人間だが、こうやって考えると歯の手入れは褒美をつかわしたいほど小まめだ。その割りに今は歯医者通い中で、毎週のように痛い目にあっている。話はとぶが、今日は目医者の日だった。今日は先生に、そろそろ年貢の納め時だと言われた。手術の日も近い。これも震い上がるレベルに憂鬱だ。いろいろとガタがくるお年頃なのだ。

それは置いておいて、今日は明るく楽しく歯ブラシの話を書きたい。日に5回の歯磨き、これを毎日と考えると、人生における歯ブラシとの関係はあなどれない。

しかしながら、私は生まれてこのかた歯ブラシというものを気にとめたことがなかった。普段はもちろん、買い求めるときすら、なんとなくくたびれてきたなと思ったときに、なんとなく適当なものを手にとって買い替える、これを何十年と繰り返してきた。

自分がどこのメーカーの、何というブランドのものを買ってきたかもわからないし、柄の色ですらこれまでピンクが多かったのかブルーが多かったのかわからない。

「家」のものは家の近所のドラッグストアに出向き、歯ブラシ売り場で目線の高さに陳列されているものから、硬さが「ふつう」というのを唯一意識的に選んで、あとはそのとき店が無言に薦めるがまま従ってきた。

「会社」「カバンの中」のものは会社近くのコンビニで、お昼購入ついでに買う。会社近くのコンビニは、お昼時間に行くとレジ待ちで長蛇の列ができる。ちょうどその列のところに、うまいこと歯ブラシが陳列されている。コンビニのそれは選べるほど品揃えがないから、歯ブラシと歯磨き粉がセットになった携帯用は選択の余地がない。コンビニという流通を制するものが、私の会社用、携帯用の歯ブラシを制する。

つい先日のこと、家用の歯ブラシを買い換えようと近所のドラッグストアを訪れると、目線の高さに同じブランドの歯ブラシがズラリ並んでいて圧倒された。同じブランドなら、あとは硬さで、ふつうか柔らかいか硬いかの絞り込みをすれば終わりと思っていたのに、そのブランドはどうも全部が違うもので10本をゆうに超えて20本近く別の商品が並んでいたのではないか。極細とか、0.2mmとか、大きな文房具屋のボールペン売り場のような装いで、「ここから選べと?」と、くらくらした。

ブランドは「メディオーラ」。聞いたことないなぁと裏をひっくり返してみるが、製造元は知らない社名。大手というふうじゃない。少しよそ見してみると、デンターシステマ(ライオン)も、GUM(サンスター)も、4列だ毛腰タイプだ超先細だと、品揃え豊かだ。

あちらからもこちらからも「あなたにあったものを!」と選択を迫ってくるのだが、「3列か4列か」「細か極細か超極細か」「レギュラーかコンパクトか」と問われても、意識の低い市民には特別これという希望がない。硬さすら、柔らかいのが好きとも硬いのが好きとも希望がないから「ふつう」を選んでいるまでで、「ふつう」がちょうどいいなぁと思って意欲的に選択しているわけじゃないのだ。

自分がこの辺に相当ずぼらであるという自覚はあるので、こだわりある人向けなのだろうと不戦敗し、下にかがみこむ。下のほうには、硬さしか選択の幅がない意識低い人向けのブランドがあるんじゃないかと考えた。読みが当たり、硬さしか選びようがなく、馴染みのブランド(クリアクリーン)を見つけたので、それの「ふつう」を買って帰った。これはつまり、硬さ以外は全部、私たちがちょうどいい感じにノーマルに作ってありますからご安心くださいってことなんだろう、と都合のいい解釈を胸に抱いた。

それにしても、メディオーラはデンターシステマもGUMもおさえて、主役扱いの陳列。あれは今や世の中で、よく知られたブランドなんだろうか。そう思って家に帰ってから、ネットで調べてみた。が、検索に全然引っかからない。ブランドサイトもないようだし、Amazonでも売っていないよう。最寄り品だから流通にお金をかけてるのか。限られた情報をたどり、購入者のブログ記事でメーカー名を確認できたので、メーカーサイトへ行ってみた。

製造元は、大阪にある稲田歯ブラシという会社らしい。サイトのメニューに「OEM」とある。大手メーカーさんの歯ブラシも、あるいはここで作っているのかもしれないなどと思いつつ、創業が昭和11年かぁと感服しつつ。Facebookにもページを作ってあるようだったが、見にいってみたら「いいね!」が0件。ページ作った人も「いいね!」押してないのか…。そんなこんな、しばらくページをめくっていると、なんだか愛着がわいてきて、次はあれ買ってもいいかもなぁなどと思い始める。あれがどれかはわからないが…、あれの中のどれかから。こんな潜在顧客の作られ方もあるかーと個人的には面白くたどってみたが、あんまり参考にならないかもしれない。

時間をかける、時間をかけて関わるというのは、非効率と一刀両断されがちなご時世だけど、物事のたいていは両面をもっている。自覚的に時間をかけたのであれ、結果的に時間がかかったのであれ、時間がかかる行いというのは、例えば「愛着」というのを生むんであるな。愛着、実に人間らしい。そうだな、時間をかけると「定着」するって類いもある。「着」するのが時間をかけて行うメリットか。

最後に書くのもなんだけど、このブログにさしたる意味や結論はない。気の抜けた話をだらだら書きたかっただけだ。すっきりした。

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コメント

メディオーラ先端極細毛4列やわらかめは、現在市販されている歯ブラシの中で最良だと思います。
これに出会ってからは他の物を試しても結局は戻ります。
今ではサンスターGUMペースト爽快タイプとメディオーラ先端極細毛4列やわらかめの組み合わせで落ち着いています。

おぉ、そうなんですね。コメントありがとうございます。今度の買い替えのときは、「メディオーラ先端極細毛4列やわらかめ」試してみたいと思います。

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