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2013-06-04

目的志向の折衷主義

私は折衷主義だ。手段や手法単体に偏見をもたず、そのとき、その状況で、自分あるいはその対象者にとって最もフィットする手段を柔軟に選べるのがいいと思っている。さらに言えば、目的に応じてより能率的な手段・手法を組み合わせられる柔軟性と創造性が大事だと思っている。

勉強法でいうならば、「セミナーに参加する」というのはよくやり玉にあげられる身で、けっこう不憫なやつである。「受け身な学習法」「人の話を聴いたって身にならない」「セミナーに行ってる暇があったら自分で手動かして覚えろ」とよく言われる。

しかし、「ある知見をもった人が、それを得たいという人たちに向けて知見を共有する」という構造が、それ単体で「どう転んでも無駄」という性質をもっているわけではないだろう。どう調理したって無駄だということであれば、そもそもそんな構造自体が数百年前に滅びているはずだ。

「成人の能力開発の70%以上は経験によって説明することができる」と言われる。経験してなんぼ、何事も人の話を聴くだけじゃ身にならない。それは疑いようのないことである。しかし、「それだけじゃ身にならない」を「それは身にならない」とイコールで結んでしまうのは、極端な解釈だと私は思う。

「それだけじゃ身にならない」のは当然のこととして、それでも何か新しいものを身につけたいとき、まずは詳しい人から体系立てて話を聴いて、ある程度その新しいものの知識概念マップを自分のなかに描くことで、その後の経験学習を能率化することができたりする。あるいは、自分なりのやり方は確立しているんだけど、他の人のやり方も聴いて自分の硬直化しているやり方を見直したいという人に有効な面もあるだろう。

学習者本人は、そのセミナーを自分の学習計画の中の一部と位置づけてうまく次に展開していくことが大事だし、セミナー主催者は、そのセミナーの目的によっては演習を取り入れたり、セミナー前後にも目を向けてその位置づけを学習者と共有し、前後に取り組むべきアドバイスなども盛り込めば良いという話だ。

手段や手法というのは、その特性を知ってうまいこと活かせばいいのであって、組み合わせたほうがさらなる能率化が図れると思えば必要な手段を組み合わせて講じればいい。一つの手段・手法を取り上げて、その欠点を指差して無駄だといっても、あまり意味はないのではないか。

物事には、なんだって特徴というのがある。特徴があるからこそ、それに存在価値があるのだ。特徴をもった時点で、それは良い面も悪い面も持つのであって、それ単体を取り上げて悪い面を指摘しても発展性がない。良いとこどりして組み合わせて、より能率的に目的に向かえばいい。私は本来目的志向×対象者視点×手段は折衷主義なので、そんなふうに思う。これはこれで私の主義主張なので、それに偏っていると思われるが。

あと、人それぞれに、自分にあう手段とか手法とかもあるから、学び方にしても何にしても、自分にとってより好ましく、進み具合のよいやり方というのがある。その辺りは、自分の好みを知って能率よいやり方を選べるのが大事だと思う。そういう前提のうえで、お互いに自分のやり方を意見・情報交換したり、取り入れ合ったりできたら、もっともっと有意義になるんじゃないか。

「セミナーに参加する」というのも、もう少し抽象化して言うならば、「人の話を聴くことを学びの機会とする」ということ。場面がセミナーであろうとなかろうと、「人の話を聴くことを学びの機会とする」ということは、多くの人がやっていることだ。逆に、人の話からは何の学びも得ていないという人は、実際は学んでいるのに相当無自覚であるか、あるいは学ぶ機会を相当損失し続けて生きているかのどちらかだろう。それぞれに自分の場を、偏見や先入観から解放されて、より自由に、より豊かにデザインすればいい。そう思う。

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コメント

初めまして。

”、お互いに自分のやり方を意見・情報交換したり、取り入れ合ったりできたら、もっともっと有意義になるんじゃないか。”

セミナーで聴くだけではなく、こういう場が本当はもっとあればいいのになぁと読んでいて思いました。

「人の話を聴くことを学びの機会とする」
さらにいえばそれをブログなりでアウトプットしたり
自分の中での反復作業を行う場があればいいですよね。

またぼくは”アレとコレとソレを組み合わせてじぶんたちにとって最適なものをつくる”ってよく言っていたのですが、それに違いのが折衷主義というんだなぁと腑に落ちながら読まさせていただきました。

また過去エントリーも読まさせていただきますので
よろしくお願いします。

コースケさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
話を聴いて、その後どうするかは、大事ですよね。おっしゃるように、反芻するようにして話の内容やそれに対する自分の考えを文章にしていくのは、とても発展的で尊い活動だなと、私も思います。
過去エントリー、まともなこと一切書いていないのもたくさんあると思いますが…、気分転換にでも使ってくださったら嬉しいです。ありがとうございます。

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先日のエントリーでも触れたように 一般社団法人日本メディカルケア産業振興協会 という社団法人のサービスを考えています。 社団法人だからといって財団法人のように理事がお金を出し合ってですね そのお金で社会貢献を行っていくというわけじゃないんですよね。 基本的には株式会社のように収益事業を営むことが可能です。 というか事業を営まないと組織が持続できません。 得た利益を構成員に対して配当金のように分配してはいけませんよ(意訳)という 制約があるわけでして、まぁとにかくいまサービス作りを進めています。 具体... [続きを読む]

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