« 静と動の風景 | トップページ | ターゲット »

2012-03-04

「ECサイトはネットショップなのか」

WebSig会議( #websig )に参加して、「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコム代表取締役の青木耕平さんのお話を拝聴した。面白かった。

別に成功したという結果の話をするわけじゃない、今は仮説に基づく検証を繰り返しているまっただ中だという前提でお話を始めた青木さん。だけど、ものすごいシャープで実の詰まったお話だった。お題は、中小〜中堅ECサイトのメディア化戦略。弱者の戦略、のび太の戦略と言っていたけど、こんな知的なのび太があっていいのか。

内容のレポートは他所に任せるとして、私のは講演前半に偏った個人的脱線文。ぐっと引き込まれたのは、事業の経緯や現況の話を終え、さて本題というところで切り出された「ECサイトはネットショップなのか」という禅問答のような問いかけ。

青木さんいわく、「ECサイトはネット上のお店です」というのは、ECサイトの黎明期、その概念をわかりやすく理解・普及させるための一つのコンセプト立てだった。ネット上の買い物機能付き「宅配便」とも「カタログ」とも、いくらでもコンセプトの立て方はできる中での、一つのアプローチだった。

というところから、自分たちは「EC=買い物ができるメディア」として、カートボタンのついた雑誌のようなものを作りたいと考えた、というふうに話が展開する。買いに行く場ではなく、楽しみに行く場を作ろうと。で、この後に、独立系の小規模ECサイトがメディア化戦略をとる必然性だったり、いかにメディア化するかといった話が濃厚に続くわけだけど、そのレポートは他所に任せて…。

(ここから一気に講演の本題からそれて脱線を本線としますが…)こういう禅問答って、ほんと大事だよなと。新しい概念を最初に覚えたとき、教えられるままに単一の定義で鵜呑みにしてしまったものって私にはたくさんあって、それを年を重ねた今でも疑いなく使っていることに時々はっとさせられる。

新しい概念を取り入れるとき、自分なりに試行錯誤して定義するように頭が切り替わってきたのって、私はたぶん10年くらい前から?もういい大人になってからだから、それ以前に覚えた単語とか概念って、ことごとく教わったまま頭に定着していたりするのだ。

まぁでも覚えた時期に関わらず、今見える風景をベースに既習の概念のコンセプトを見直したり再定義してみる頭は大事にし続けたい。時代が移り変わり、市場環境が変われば、知らぬ間にその存在意義みたいなものも変化を迫られるわけで、こうしたことはずっと続くんだろう。

そう考えると、何も中小のECサイトに限らず、昔ながらの「お店」も、今や「買い物できる場所」からの脱却を迫られているところが少なくないだろう。というのも今さら感のある問題提起だけど、「買い物できる」っていうのはあくまで付加機能であって、そこで別のコンセプト立てが必要になっている「お店」がほとんどではないか。今生き残っている「お店」は、こうした時代変化を踏まえてリアル店舗の再定義をここ10年程でしてきたところなんだろう。

リアル店舗もネット上のECサイトも含めて、自分のところの取り扱い商品がどれだけどんなふうに売られているのか見渡してみる。その市場環境の変化を踏まえて、うちは何がユニークなポイントになりうるのか見直してみる。買い物機能付き地元のアフターサポートセンターになるのかもしれないし、それこそリアル店舗をメディア化して名物店員/看板娘によるコンテンツ提供+買い物もできる場ってことになるのかもしれない。

こうざっくり言うのはたやすいけれど、どこを売りに…というのは、取り扱い商品の単価とか粗利率とか型番指定で買えるものなのかとか高関与度の買い回り品なのかとかいう商品特性にも依存するし、どんな資質と能力をもった人が店主・店員として動けるのかとか、かけられる予算とかにもよるからいろいろ…。だけど、この辺の問題解決にあたっている方の仕事は、とても創造的で意義深いものだと思う。

って話がリアル店舗の話だらけになっていて全然WebSigしていないけれども、いやはや、とにかく面白かった。内容はtogetterとかで。ほんと、面白かったです。青木さん、モデレーターの皆さん、ご参加者の皆さんに感謝感謝。

« 静と動の風景 | トップページ | ターゲット »

コメント

WebSigへのご参加ありがとうございましたー

リアルとネットという視点での考え方,奥が深いですよね.あと,青木さんのECがメディアという考え方はとても参考になりました.

で,ちょっと話がそれて,最近思うのが,買う側(消費者側)の体験値の変化も大きいと思っていて.東京ガールズコレクションってその最たるものの1つだと思うんですよねー

そのあたり,僕もブログに書こうと思います:-)

馮さん
WebSig、楽しかったです。こちらこそありがとうございました&お疲れさまでした!
「買う側の体験値の変化」ですか。ぜひブログに!楽しみにしていますー。

ということで書いてみましたー
なんかあまりまとまんなかったんですがw

http://ameblo.jp/tomihisa18/entry-11188541260.html

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/56452/54137225

この記事へのトラックバック一覧です: 「ECサイトはネットショップなのか」:

« 静と動の風景 | トップページ | ターゲット »