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2011-06-26

まとまらない話

私のなかには、2つの思いがある。歴史に学ぶことを尊ぶ気持ちと、やりたいことあるならやっちゃいなさいよという気持ちと。

三千年を解くすべをもたない者は闇のなか、未熟なままにその日その日を生きる

というゲーテの言葉が身にしみる。人類の歴史なしに今の自分の生活も知識も価値観も成り立たないわけで、「人類の歴史が私自身の歴史」という発想は、見当違いなことじゃないと思う。

私たちは本当に細々とした日々の生活のこと、仕事のこと、自然界のこと、人生観や宇宙のことまで、自分たちの前を生きた人の積み上げた知識・知恵の上に成り立たせている。そういう前提なしに、全部ゼロから見つけ出す必要があったなら、私など火をおこすだけで一生が終わってしまうと思う。

なんて極端なことを持ち出さずとも、仕事の上で、自分より前にその分野を歩んだ人に学んでいることは大いにある。すでに体系化された理論、やり方があり、さまざまな選択肢とその選び方、応用方法がたくさん用意されている。それを無視して、若者がなりふり構わず何の勉強もせずに体当たりでそれに挑もうとすると、大人たちから「○○も知らないで××を語るな」と言われ、冷や水を浴びせられたりする。そういう場面をときどき見かける。

大人の見解は、先のゲーテの言葉にもあるとおり、まさしく大人の意見だと思う。私たちは知らぬうちにも過去から学びを得ているわけで、敬意をもってそれに向き合いたいし、そこから大いに学ばせてもらうべきだとも思う。

一方で、んなこと言ってもなぁという思いもわくのだ。「○○も知らないで××を語るな」の言い分としては、「別に自分ほどそれを掌握してからモノを言えと言ってるんじゃない、××を語るなら最低限これぐらいは知っておけという話だ」ということだろう。

けれど、例えば生意気な若者がこう応えたとする。「最低限ってラインは、あなたの主観的な基準にすぎないわけでしょう。あなたと私では生きている年数が違うんだし、経験年数も違う。基本的に知識差はあり続けるわけで、いちいちそんな主観的な基準で癇癪起こされてはかなわん」と。

あるいは、「じゃあ、それを習得するまでは自分の考えを述べるな、手を動かすなと言うんですか。前提知識がなくても自分で考えるのは大事にしたいし、今すぐにでも挑戦したいアイディアがあるのに、過去の知識を習得するまで手を出せないなんてナンセンスだと思います」と。私はそれに対して、それはそれで全うな言い分だなと思ってしまう。

若者は無鉄砲にやるものだし、どんなに年齢を重ねて過去の知識を積んでも、結局一通りを踏まえて動くなど、人間には無理な話って気がしている。過去の人があらゆる学びを経験し、それを書き残しても、感動や痛みをもって体験していない後世の人間に伝えられることは一部でしかない。戦争や諍いは消えないし、コストや効率化のために安全が確保されない例もあれこれある。

人間は前世から学ぶ生き物だけど、前世から学びきれはしない生き物なんだろうと思う。なんてったって、学べることの限りを極めれば、膨大にすぎる。私たちの多くは研究者や学者じゃない。実務者であり生活者だから、そうそう過去を学ぶために時間を使えない。過去への興味・関心にも限りがある。最低限は…と言っても、その最低限が何かはまた、誰かの決め打ちに頼らざるをえない。

となると、人間だもの、「あなたの主観的な…」という若者も出てくるだろうし、その制止をふりきって大成する人も出てくるだろうと。まぁだから、つまり、大人は大人で忠告をしたらいいし、若者は若者で忠告から学んだらいいし、とはいえ制止を振り切ってでも今すぐやりたいことがあれば、それをやる選択も自分次第でできるのだと、そういうふうに思っておくのが程よいのかな。子どもが大人から学べることの重要な一つに「理不尽」というのがあると思うし…。少なくとも、過去の見解を絶対視せず、自分の答えを考えてみることは、むしろ大事な姿勢だと思う。

結局はやっぱり、バランスの問題なのだ。そしてバランスのさじ加減を決めるのは、結局自分なんだよな。自分にあったさじ加減というのがきっとあるはずで、それを自分で見極めればいい。ただ全員に言えることは、ルールを全部把握することは不可能。そう割り切って、ゲームが終わる前にグラウンドに出て行くこと。じゃないとゲームそのものが終わってしまう。私たちは自分の時間の多くを、ルールを学びながらゲームをして、ゲームをしながらルールを塗り替えていく時間にあてないとってことか。まぁ、まとまっていないけど、ときどき思うこと。

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