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2010-06-19

Webリテラシー研修の考察

この時期、クライアントさんに新入社員研修をご提供する機会がある(私は講師はしないけど)。プログラムの中に、Webリテラシー的な講義が含まれる。あれこれ余談を交えて聴き手心をくすぐりつつも、講義の中心は、Webビジネス周りの主要なテーマを取り上げて、全方位で「これ重要」「これ必要」「この手の配慮も欠かせない」みたいな話になる。言ってみれば「べき論」の集合体みたいなものになる。

そうすると社会に出たばかりの若き受講者には、「あちらを立てればこちらが立たずになるけど、どういうふうに考えればいいの?」という疑問がわいてくる。質問も出る。前方互換と後方互換。売り手視点と買い手視点。広い層へのリーチをとるのか、ターゲット限定でささるクリエイティブをとるのか。目的、対象、条件、配慮すべき事項がごっちゃになるんだと思う。

けれど、そこに別段、こういう線引きで結論を出すのだという正解はない。言ってしまえば、それを考えるのが「Webリテラシーを身につけたうえで、現場で自分がやる仕事なのよ」と思う。なので、講義の後にそう言ってしまった。言い方は違うけど。

唯一の正解などない。全世界、全企業、全商品、全場面で通用する磐石の法則などない。つまり、その手の話はリテラシーの領域で何が正しい・正しくないと語られるテーマではなく、マーケティングとかビジネスとか、もっと色っぽいところに舞台を移している話題なんだと思う。あなたの世界で、あなたの会社が、その商品の、その場面設定で、どちらを取って、その対極にどれだけ配慮すべきと結論づけるか。どこまで配慮して、どこからは切り捨てると割り切るか。葛藤しながらでも結論を出して、世の中にものを出す。

前方互換と後方互換、両方に振り切ったWebサイトは作れない。両方に配慮したサイトは作れるだろうけど、対極にある両方に配慮しすぎたサイトは、どっちつかずのものになるだけだ。

だから、サイトの作り手…にかぎらず、製品・サービスの作り手というのは、出した後消費者があーだこーだたたくことなんて、おおよそ一通り洗い出した上で、それでも軸を定めた目的とターゲットのためにものを生み出し、世の中に送り出しているのがたいていだと思う。

それが仕事であって、全員に100%の満足を!というのは傲慢な話なんだと思う。傲慢さを捨てて、無理なことは無理と割り切った上で、それでもある対象にとっては大変に有意義で、その対極の層にも一定の配慮をもって臨むのが、ものづくりの担い手じゃないか。

そう考えたとき、大事なことの一方だけしかしらない状態でそれをやる選択をするのと、大事なことの対極にあるもう一方の大事なことも知った上で、それでも今回は前者を取るのだと意識的に選択してやるのとではまったく意味が違う。その双方を押さえておくこと、全体を捉えた状態で一手を打つために、Webリテラシー的なものを身につけることは大事なのだと話した。

まあ、こんな感じで伝え方は下手なんだけど、優秀な皆さんなので私の言いたがっていることは受けとってくれた気がした。私見でなきゃいいけど…。

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コメント

Webリテラシーをm-schoolで教えてるんですけどね、
全然生徒さんが来ないですよ。
つか、宣伝の仕方悪いんでしょうけど

ガクさん、お久しぶりです。
Webリテラシーは、その辺難しい(言い方かえれば面白い)類の講座じゃないですかね。誰にどう売るか、ストーリーを組んでみるといいと思います(それは講師の仕事じゃないけど…笑)。
Webリテラシーという講座の価値は、私はこの話のような意味合いで大事だと思っていますよ。がんばれ!

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