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2010-01-11

言うか言わないか

茂木健一郎さんの「いかに生きるか」という講演の記録を聴いた( @tabbata さんのtwitterのつぶやきより)。素晴らしかった。茂木さんの熱のこもった、抑揚のある言葉。ユーモアもたっぷりで、聴かせるんだなぁ。1時間の講演だけど、終始聴き入ってしまった。

インターネット上の一部の匿名掲示板などを中心に(あと「オバサン」とか)、現代は「無意識の垂れ流し」になっていることを指摘。ここでのメッセージが熱かった。こんな感じのこと。

人間、いろんなこと考えますよ。そりゃ。悪いことだってあれこれ考えるでしょう。でもそれは、出してはいけないことなんです。何を出して、何を出さないか。心の中に浮かぶさまざまなことのうち、何を言って、何を言わないか、言うとしたらどういう言葉で表現するか。それこそが人間ならではの分別で、そこに人間の尊厳があるんです。(私の勝手な要約)

言論の自由はあるし、垣根なくいろんな人がいろんな人とつながって意見交換できるようになったこと自体は素晴らしい。けれど、昔は思ったことの100分の1も口に出さなかったところから、ふと思ったことをつぶやいて、それが多くの人に発信されるようなメディアを個人がもつようになった世の中で、私たちはそのツールの担い手として、思ったことの100分の100のうち、何をどこの場で発言するのか、それをどのような言葉に表すのか、これについてそれなりのリテラシーとか知性、それを受け取った相手の気持ちを推し量れる想像力をもたないといけないよな、と思う。

この講演、この話につづく後半もすごく素敵だった。草野球の「透明ランナー」って25年ぶりくらいに思い出したなー。身体を使った遊びと、コンピューターゲームの違い。コンピューターゲームは、「ルールが決まっている」中で遊ぶもの。一方、草野球とかって身体を使った遊びは、子どもたちが自分たちでルールから作っている(基本のルールはすでにあるにしても)。これが決定的に違うという。

透明ランナー(人数が少ない場合、塁に出ている途中で自分の打順が再びまわってきたら、透明ランナー制度を使って塁を離れバッターボックスに入る、打ったら透明ランナーは自動的に塁を進められる)とか、ちっちゃい子のときは下投げにしてやるとか、あそこの電信柱が1塁で、あのマンホールのところが2塁でと、確かに昔遊んでいたときって自分たちでルールを決めて始めていたことを思い出した。

人間は「ゲームが一番面白くなるように自分たちでルールを調整する能力」をもっている。これは、脳科学の専門家でもどうやってやっているのかわからないという。人間の神秘だなぁ。そして仕事をする上では、ルールを作る側の視野・視点と実行力を常に求められる。私はずっとその視野・視点と実行力をもって生きていきたいなぁと思う。

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コメント

「言うか言わないか」って身近であり、かつとても深いテーマですね。
私はこれを読みながらいろんなことを連想しました。
一つは、先週自分が社内で受けたばかりの課長・主任研修。。
ここでは「育成」がテーマだったのですが、講師(って役員でしたが)が言うには「指示は1から10まで出しちゃだめ。考える余地を残さないと。10言いたかったら7か8までにしておけ。そうしないと下が育たない」と言われました。
私はこれはとても痛いところを突かれた気持ちで、、人に任せると心配で割と細かく確認したり、相手に誤解されないようにと具体的に指示を出してしまうほうなので、これって下のやる気や育つ余白をなくしてしまっていたのかなぁ、、と。
この時にまさに「言わないようにする忍耐」を感じたところでした。

話は飛びますが、最近はおっしゃるように個人でHPやブログで自由に発信できるようになり、掲示板のようなところでは匿名性を使って過激なことを言う人もいて、なんだか人間の本性を見るような気持ちです。人って自分の顔が隠れて誰だかわからなければひどい攻撃的なこと(それこそ、心で思っていても普通は「言わない」のが良識だと思われているようなこと)を発信してしまうんですね。。

言うか言わないかって、とても人の本質を表しているような気がします。

「無意識の垂れ流しで言ってしまう」ほかに、意識していても「言うか言わないか」の判断が難しいこともありますよね。ほんと、難しい。ベルさんのおっしゃるケースとかは、自分が言わなければ、誰かにご迷惑をかけることにもなったり、部下や後輩が失敗することも想定されるなかで「言わない」を選択するって状況で、相当意識的に我慢しないとできないですよね。忍耐だなぁ。

ベルさんのコメントのなかの「良識」。久しぶりに目にした気がして、なんだかいい言葉だよなってほっこりしました。(笑)

どんな場所で発言するにせよ、目の前に相手がいて、その相手の目を見て自分の口で言えることを、言葉に表していきたいですね。

もぎけんPodcastの管理人です。MP3に言及してくださりありがとうございました。よろしければ、該当記事にトラックバックを送っていただけますか?その方がもぎけんPodcastの内容も豊かになりますし、こちらへのトラフィックも増えると思いますので。

のざわさま
コメントありがとうございます。あのPodcastは、本当に出会えてよかったなぁと、後からも何度も振り返っています。こちらこそありがとうございました。トラックバックお送りさせていただきました。どうぞよろしくお願いします。

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