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2008-10-19

全部タダでいいのか

超日記だけというのも、それがどうした…という気がして気持ちよく眠れそうにないので、もう少しまともな話を一つ。広告について最近思っていたことで、ちょうど数日前広告代理店の方相手にしみじみ語り聞かせてしまった話。以下、全然話まとまってないけど、答えのないなんとなくな話をつらつら。

昨今はあれもこれも無料尽くしで、このままいくと世の中の大方のものは“広告付きで無料”で入手できるようになるんじゃないかと思ったりするんだけど、それってどうなのかなーと。

確かにおいしい話だし、「今までお金とってたのがおかしいんだよ」って思考の大転換やってみるのも一つなんだけど、“好意で無料”って話じゃないからどうもすっきり腹に落ちない。“広告付き”って条件付きで、裏で法人間の莫大なお金のやりとりが行われている時点で、やっぱりなんとなく、この「なんでもかんでも消費者の手には無料」って流れはどうなのかなぁと思ってしまう。

誰かが一生懸命手塩にかけて育てたもの、何百・何千の試行錯誤の果てに生み出したもの、過去の経験や知識・スキル、センスや知恵や直感を総動員して創りあげたもの、そのすべてが平等に無料で消費者の手に渡る世の中というのは、どうなんだろう。作り手に対してその対価を支払うという単純明快な愛情の仕組みがすっかりなくなってしまうと、人の気持ちはどうなるんだろう。何か大切なものを見失ってしまわないだろうかと不安になる。

作り手個々人が判断してそういった流通にのることを拒めば、そうではない市場も残るだろうといえるかもしれないけれど、他方であらゆるものが大いに無料で配布されている世の中で、いったいどれだけの消費者がその市場を残すことに貢献してくれるだろうか。

今はまだ選択の余地があるかもしれない。けど、あらゆる分野のものが品質そこそこに無料で入手できる生活が定着してから生まれてきた人たちに、上質なものを知り欲する機会は十二分に与えられるだろうか。そういう機会がなければ、ものの質の差異性を知らない消費者は、あえて有料のものなんて欲したりしないし、その存在価値すら意味不明だろう。無料の、それなりのもので舌が慣れてしまえば、そのまま無料のもので生きていくはずだ。

そういうものとの出会いに興奮したり、より上質なものを生み出したいって奮起したり、そういう気持ちを交換し合ったりできない世の中になってしまうとしたらつまんないなーと。私もあれこれの品質がわかる人間じゃないけど…。

あと、広告と消費者の関係もまた、「あれを無料にしてやってるんだから、広告見なさいよ」「はいはい、分かりました、分かりましたよ!」みたいな“無理やり見せる”系になるとしたら、なんか本来的でないなーって残念に思う。

Amazonのレコメンド機能とかって実際役に立ってるし、あんな感じで、広告っていうのは本来「その存在と価値を、それを潜在的に欲する人に気づかせて手元に届けるための橋渡し役」みたいな、もっと健やかな価値をもったものだと私は思っているんだけど。だから、それ以上にもそれ以下にもなっちゃいけないというか、そうなっちゃうと存在として無理が出てくるのかなーと思ったりしているんだけど、どうなんだろう。私は広告ビジネスはまったく門外漢だけど、善良な一市民としてそんなことをぼーっと思う今日この頃です。

※あ、すごくナイーブな話でうまく言い表せていないと思いますが、広告を収入源とするものを、相対的にみて品質悪いとかどうもなぁとか思っているわけじゃありません、もちろん!そういう話じゃなくて、えぇ、意図を汲み取ってやってください…。

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コメント

おひさしぶりです、すずきです。

広告がのって、無料。僕も、その違和感を感じてきた一人です。

無料って、なんで?って思っていることが、だんだん当たり前になってきて、アンバランスになること、ありますよねー。

携帯電話なんかも、最近は高くなりましたが、正常に戻りつつあるんだろうなー、と思ってます。

おぉ、すずきさんではないですかっ!お久しぶりです。こちらまでお運びくださってありがとうございます。
すずきさんがこれまで育ててきたサービスなんてまさにその違和感あってこその生き様を感じさせますね。(笑)
携帯電話もそうそう。高くなったのはあれだけど、真っ当になったんだよなぁってちょっと安堵したものです。
広告畑の人が商品開発まで守備範囲を広げていってたり、クライアント側への転職が活発になってるのもまた興味深いところ。いい形でごちゃごちゃになっていくと面白いかもですね。

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