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2008-09-03

ホットのアイスティー

昨日、昼下がりに会社近くのエクセシオールカフェでアイスティーを頼んだら、「ホットのアイスティーですか?冷たいアイスティーですか?」って訊かれた。 思わず吹き出しそうになったけど、お姉さんがさわやかに答えを待っているので、さわやかに「冷たいアイスティーをお願いします」って答えてみた。すると彼女は「かしこまりました!」と言って私に背を向け、冷たいアイスティーを作り始めた。

その間も頬がゆるんで仕方なかったけど、彼女の中ではきっとアイスティー=紅茶になっているはずだから、「ホットのアイスティーをお願いします」って答えたらあったかい紅茶が出てきたに違いない、だから答え方として私は最も平和な回答をしたのだと一人うんうん納得しながらアイスティーを待った。

用意を終えてこちらに向き直った彼女は、「今気がつきました!」とはっとした表情を見せた。そこで心置きなく二人して笑った。あぁ、なんてほほえましい夏の日の1ページでしょうか…。

それと関係あるようでいて関係ないような話だけど(フツー逆が望ましい)、こういう一定の繰り返しを含んで量をさばかなきゃいけない仕事って、一つひとつに神経を集中させ続けていては身がもたないから、良くも悪くも口や体が自動的に動いている状態に入るのが人の常ってもんです。

なので、そこで私が客として気を遣っているのは、できるだけ言葉が意味を失わないように丁寧に話すこと、あと彼らの口や体になじんでいる流れを下手にかき乱さないこと。

例えば一気に「○○とショートアメリカーノを持ち帰りで」と言ってしまえば、それはそれで言う側は効率的だし、ベテランの店員さんだったら話が早いってことになるんだろうけど、仕事を覚えたての人にしてみれば自分の覚えた型をかき乱されて逆にこんがらがっちゃったりもする。

現に、私はレジが混んでいる時何度かこういう頼み方をしたことがあるけど、そのうち少なくない頻度で「お持ち帰りですか」ってもう一度訊き返された。その人の頭の中では、ステップ1は「注文をとる」になっているので、それ以外の情報はそこで言っても情報として認識されない、ゆえに言っても本来の目的の効率化には意味をなさなかったりする。

頻出する言葉がブラックボックス化して意味をもたなくなっちゃったりするのも、アイスティーの紅茶化が好例。だからスターバックスでは「ショートアメリカーノ」と言わないで「カフェアメリカーノのショート」と言ったり、カフェでは「あたたかい紅茶を一ついただけますか」と言ったり、あえて小分けにして言葉に意味を注ぎこむことが少なくない。もちろんTPOにあわせてですが。実際それで聞き返されることはないし、目を見ていると言葉として相手に届いている感覚がある。

短縮して全部の情報を一気に言い切るより、少しゆるみをもたせて小分けにしたほうが、届けたいものが一回できちんと相手に届くってことはあるんだと思う。一見効率的に見えるやり方が、たとえ自分側にとってはそうでも相手も含めたコミュニケーションでみたら結構非効率っていうのもあるんだと思う。

人に優しいって行いは、なかなかいろいろあって面白い。その行いは多くの場合、ひっそり静かに執り行われるもので、時に勘違いとかもあるんだろうけど、なんだか趣きがあっていいですね。ただの自己満足とも言うけど。(笑)

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コメント

うーーーーん、深いっ!!!
まりさん、アイスティーの注文の話から広がり、ここまで深く話が進むとは思いもしませんでした。いや感動です。。
これに似た話で、バーガー店へ一人で部活のメンバーの分の買い出しに行って「ハンバーガー30個」と言っても、とりあえず「こちらでお召し上がりですか?」と聞かれるのと一緒かもしれませんね。
私もそういうファーストフード店でバイトしてカウンターに立ったことがありますが、きまりきったマニュアル通りに進めないとならないんですね。人間もそういう風になっちゃう、、みたいな。

でもまりさんはお客さんとしても、その流れを壊さぬよう、相手を混乱させぬように気遣っているところが、その発想がもう数段雲の上のようですごいと思いました。

余談ですが、私はいまだ、スタバではまだ素人っぽい頼み方しかできず、「○○のショートを。」という頼み方だけですが、いつか「○○のショートをエクストラホイップとキャラメルソース、××のトッピングで」というカスタムで頼んでみたいっす。常連さんぽく。。

うーん、確かに深いっ
ぼくもちょっと感動しました
ちなみにぼくはスタバに行ったりドトールに行ったりするので、トールと言っていいのかラージと言っていいのか、いつも迷います

「深いっ」って思っていただけたのは、「ホットのアイスティー」が冒頭部分しか言い表せてないタイトルだったからだったりしてー(笑)。なはは、まぁご愛嬌。

ベルさん
マニュアルが整備された世の中っていうのはなかなか生きづらいですよね。マニュアルって「○○のためにこういうやり方を採用している」って上位概念を共有していないと意味がないし、いつまで経っても「守」どまりで「破」「離」に熟達していけない。
本末転倒にもなりやすいし、マニュアルは変えられるものだとか、より良いものに変えていくべきものだって認識も持ちづらい。マニュアル作ったはいいけど、まだまだうまいこと使いこなすまでは至れていない感がありますよね。

ちなみに私もスタバは「カフェアメリカーノ」か「アールグレイ」しか頼まないので、難しい飲み物は一切知識がなく頼めません…(笑)。ぜひ習得して涼しい顔でやってのけてください!

ごまおさん
感動なんておそれ多いですが…(笑)。そっかー、「トール」と「ラージ」って確かに。私はもう「大きいほう」とか「小さいのを」とかも使っちゃいますけど。
スタバの紅茶は「トール」と「グランデ」の2択で、この間「トール」のつもりで「小さいほうを」って頼んだら「ショートはないんですけれども」って言われました。飲み物の注文はなかなか難しいですねぇ。。

あー、そこでそう答えるのがらしいなぁ~。
光景が目に浮かんで笑った^^

僕はつっこまずにはいられないなぁ。

やすさん、お久しぶりです。
これの切り返しは、その人らしさが表れそうですねぇ。
私は世界平和を願って…。

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