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2008-07-07

存在意義のありか

会社の中には、経営陣と別に現場を率いているトップ層の人たちというのがいます。言わば会社の“強み”です。経営陣が彼らトッププレイヤーに求めるものの一つに、その人がもつノウハウを社内に共有する、会社の資産として有形化する、みたいなことがあると思います。

あなたの思考プロセスを体系立てて見える化してください。作ったプロセスを汎用化して他でも誰でも使い回せるツールを作ってください。うちの会社からお客さんに出すアウトプットがすべてあなたと同レベルで均質化されるような仕組みを考えてください。つまり、「Aさんができること、BさんもCさんもできるようにして」ってオーダーです。

これらはとても有意義なことだと思うし、私もほぼ個人仕事ながら、少し未来の自分の業務効率化や抜け漏れ防止のため、設計までやって運用を人に預ける場合など、こういうことはよくやっています。これはこれで、“再編集する”みたいな意味でクリエイティブな作業だとも思っています。

ただ、これはあくまで「弱点を克服する」領域であって、「更なる強みを引き出す」領域の話ではありません。こればかりに集中しすぎて、Aさんがそこで働く決定打となる動機づけやAさん層の更なる“強み”を引き出す場づくりをないがしろにしていては、トップ層は疲弊し、組織はそれなりのところに停滞し始めるおそれがあります。

また、こういった仕組みづくりを長期的なプロジェクトでやっていくと、知らぬうちに有形化することが目的にすり替わってしまったり、運用され出してしばらくすると形骸化してしまったりして、BさんやCさんがAさんのノウハウの本質を吸収するのを妨げてしまいかねない危うさがあります。単にツール群を整備するだけでは、ものを作った達成感には満たされたものの、本来的な組織力UPにつながっていないといったことが出てきかねません。

「人は辞めちゃうかもしれないけどツールは残るから」といったらそれまでですが、ものづくりの現場は“それでも人ありき”とも思います。人が辞めない会社を作るか、人が辞めても大丈夫な会社を作るか。考え方はそれぞれってことなのかもしれませんが、前者をある程度意識するなら、社員のスキルを底上げし、アウトプットを均質化する努力と同等あるいはそれ以上に、Aさんらの強みを引き出すための努力が必要ではないかと思うわけです。

個々に強みが異なるし、すでに社内でもトップに位置する人たち相手では、更なる強みの特定にも、それを引き出す場づくりにも相当な先行き不透明さがあると思います。でも、そこを踏み込まずしては、できる社員ほど会社の大規模化に伴って「つまらなくなったなぁ、うちの会社」と辞めていき、立ち上がって数年の最盛期を経た組織が徐々に空洞化していく現象が止まらないのではないかと危惧するのです。

競合優位性なくしてはなかなか生きづらい時代。そればかりでなく、お客さんが自分でやっちゃう・できちゃう時代です。何もかもがあふれかえった世の中では 「ならでは」が不可欠だし、そこにしか確固たる存在意義は生まれなくなる気がします。個人も組織も、弱点を克服するための努力のほかに、いやそれ以上に、 自分や自社の強みをどう引き上げていくかに意識を払う必要が高まっていくように思う今日この頃です。

※ある本を読んで仕事のコラムを書いていたんですが、話がずれてきて使えなくなってしまったので(困った…)、全然ここにそぐわない内容かつ全然まとまりない状態ですが、こっそりここに置かせていただきます。これも「心のうち」のうちってことで…。それにしても本当に色気のかけらもないですな。(笑)

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