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2006-09-01

ものづくり第二考

一つ前のお話では、かなりたらたらと「ものづくり」について書き連ねたので、今回は少し早口の(私にしては)きびきびした語り口で話している風に。その割りにまた話が長いが、つまりこれが言いたかったのだという昨日の続き。

ものづくりっていうのは、本来誰しもがそれをする役割を担っているものだと思っている。役割って表現が適切なのかは正直よくわからない。ただ、義務ではないだろうけど、権利は誰しもが持っている、そういう感じがする。仕事というくくりで考えれば、やはり誰しもに求められている役割だと思う。

「ものづくり」というとどうも限定的な職種イメージがつきまとうけど、いかにもものつくってそうな職種の人に限られるものではないし、役職も関係ない。総務や経理といった管理部門の仕事だって、商品と違って形をもたないサービスをつくる仕事だって、ものづくりの要素がふんだんに詰まっている。役職をみても、社長は会社をつくる役割があるし、部長だって部のミッションをうまく遂行できるような仕組みや体制をつくり、ある部分ではプレイヤーとしても何かをつくる役割を担っているのが一般的だ。それがイメージできない仕事があるとすれば、それは単純にはたから見て分かりにくいだけの話で、要は見る側の想像力の問題だと思う。

つまるところ、ものづくりっていうのは、職種や役職ごとの「役割」にひもづいているものではなくて、一人ひとりの人に根付いていく「思考」なんだろう、と思う。ものづくり思考をもつ部長や総務職もいるし、それが薄めのアーティストや職人もいるだろう。

自分がものをつくっているときに何か相談とか質問を持ちかけると、ものづくり思考をもつ人というのはすぐにわかる。ものづくり思考な人は、自分がそれをつくるわけではなくても、またそれが自分が普段作っているものとは違う類のものであっても、普通にものづくり思考で話を聞き、答えようとしてくれる。

そういう頭の使い方がもう当たり前になっていて、ここがダメとか、ここがなんか違和感とかで完結せず、その後の「こうしたらどうだろう」といった答え探しまで頭を動かすことが基本セットになっている。答えのアイディアがないとしても、セットで提示できていないことに不足感を感じているふうで、どこかに着地させないと自分自身が気持ち悪い、みたいな雰囲気をまとっていたりする。

話を持ちかけた時点で、ものをつくりあげるという同じ方向を向いて話に参加してくれる。これは、ものづくり思考をもつ人の一番分かりやすい特徴かもしれない。もし昆虫採集するように彼らを多数捕獲する必要が発生したら(発生しないが)、これをして確実に精度高く一定量の捕獲が達成できるのではないかというくらい顕著な特徴だと思う。

実際話をしていてこれに出会ってしまうと、(仕事中なので怪しい感情表現は控えるのだが)静かに大いなる感動を味わう。あぁ、この人はものすごいものづくり思考な人なんだなぁと嬉しくなって、しみじみと幸せを感じる。そして私も、どういうフィールドの話に参加させてもらったときにも、こういう思考が当たり前の、ものづくり思考な人間でありたい、ずっとずっとあり続けたいなぁと、深く、深く思うのである。

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