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2006-08-11

ブルーノ・ムナーリ

以前から読みたいと思っていたブルーノ・ムナーリ著「ファンタジア」を買った。本の帯は工業デザイナー深澤直人氏。「偉大なデザイナーはたくさんいる。しかし、偉大なデザインの先生は、ブルーノ・ムナーリだけかもしれない。」は、実に言い得ていると思う。

プロダクトデザイナー、グラフィックデザイナー、絵本作家、造形作家、映像作家、彫刻家、詩人とさまざまな創造活動を経たムナーリ氏が、理論家、教育者としてまとめた創造力を養うための指南書。

ものづくりをする人のキャリア支援、なかでも教育を主軸に仕事している自分にとっては、後半に記された教育方法にフォーカスした内容が興味深かった。彼は幼年期の子どもたちに大人がどのような機会をつくって創造力を養っていくべきかを示している。その具体的な方法を提示した上で、そこでみんなで作った作品は壊すべきだというくだりが素敵だ。

「保存されるべきものは、モノではない。むしろそのやり方であり、企画を立てる方法であり、出くわす問題に応じて再びやり直すことを可能にさせる柔軟な経験値である。頭はいつでも自由で、柔軟で、準備の整った状態でいなければいけない。<中略>先入観、凝り固まった考え、好みのモデル、繰り返しのスタイル、こうしたものを所有してはいけない。そんなものをもつと、創造力が顔を出そうとするときにブレーキをかけるようになる。」

幼年期と大人、また教育目的とビジネス目的と違いがあれば、誰しもに同じことが言えるわけではないだろうけど、こういう意識をもっておくことは広くものづくりに携わる人間にとってとても大切だと思う。新しいものを生み出してこそ、その挑戦を楽しめてこそ、ものづくリストだもの。私みたいな、教育分野のものづくリーマン含め。

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コメント

この話、まさに今の自分のテーマでドキリとしましたよ。
そうなんだよね、モノとかカタチじゃないんだよね~。いつでも自由に、真っ白いキャンバスに存分に描けるようでありたい。

ほっとくとモノに執着する性質って、人間どこかありそうですよね。自分の作ったものはやっぱりいとおしいし。
「モノより思い出。」を名コピーに感じるのも、カメラのカシャカシャ音が聞こえすぎると、いやいや「記録より記憶」とか思うのも、その反動というか(天邪鬼思考ともいう……)。
ともあれ、その危険回避として「モノを残さない」っていうのも一つの策ですよね。また新しくモノを作ろうって素直に思えるし、そのときは前に作ったときよりもっと素敵なものが作れる気がします。そして、人生がもっと豊かになる。

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