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2006-05-26

深海散歩の友

昨日は3月まで同じチームで働いていたお姉さんとランチに出かけた。「3月まで」といっても、そのチーム自体昨年10月に新設されたばかりで、私はその時点で配属されたけど、彼女は期の途中からアルバイトという形で入ってきたので、同じチームだったのは数ヶ月足らずだ。さらに「同じチーム」といってもまったく業務はかぶっていなかったし、私は流浪の民となって、この4月にまた新設部署へ異動してしまったから、本当に接触機会は少なかった。

だけど、どうしてかなぁ、彼女との時間はなんだかとっても心地良くて、あんまり話したことないのに二人でゴハンに出かけるということにまったく抵抗感が起こらない人なのだ。1時間強、たぁっぷり濃厚におしゃべりを愉しんだんだけど、後々まで「なんだろうなぁ、この素晴らしい感覚は……」と気にかかっていた。そして、ふっと気がついた。自分が「実はとっても話したいこと」が、二人で話していると自然におしゃべりのメインネタになる人なんだ、ということを。

私は、というかたぶん皆多かれ少なかれそうだと思うんだけど、何気ないおしゃべりでも相手が誰かによって話すネタの要素や深度を変える。特に私の関心事となるネタは抽象的なものを含みやすいので、「いきなりそんなこと言われても」とか「なんでそんなこと考えてんの」と相手を困惑に至らせないように意識する。自ら発信するネタの、特に深度は慎重に調節しようとするのだ。

そういうのが常態化していて、それもまたどうなのかなぁって時々思うんだけど、相当がんばって意識しないかぎりそうなってしまうことが多い。すると当然自分のこれという関心領域について深く話す機会も非常に限られてくる(注:私とて一般に受け入れやすい関心事もそれなりに持っている(はずな)ので、これはごくごく一部のネタを取り上げてのことです、のはず)。

それが昨日のランチでいきなりもたらされて、私はものすごく嬉しかったんだと思う。二人で話していると、どちらからともなく自然とそちらに流れついて、そのまま深海へと一気におりていく。1時間という短いランチの間に、深い海の底にしっかり足をつけて二人とも自然と同じ歩幅で散策を愉しんだ感じ。

なんとなく、この人は一人でも深海をさまよったりしているんだろうなぁという感じがあったので、私も安心しておりていった。躊躇なくおりていったから、その心地よさの理由もすぐにはわからなかったというか。わけわかんないような話だけど、とりあえず記念にここにメモしておこう。

彼女は、しばらく新たな関心分野の勉強をするために、うちの会社でアルバイトをして仕事と勉強を両立させていたのだけど、勉強のほうもひと段落したということで、また本職のWebディレクターに戻ることになった。というわけで、今月でうちの会社を去る。場所は離れても関係性は近くしていきたい人だ。

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