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2006-04-15

半日デートと鎖の音

今日は、もう何年もお会いしていなかった(友だちというのもおこがましいが、広義の)友だちのような人に会った。何年かぶりで会ったといっても、そもそもその方とは何年かぶりでしか会ったことがなく、初めて会ってから10年も経っていないので、これまでに会った回数も4回くらい。頻繁にメールのやりとりをしているというわけでもないし、年末年始のご挨拶くらいのもの。本当に不思議なご縁なのだけど、なんだか久しぶりにお会いできることになった。

そして、まる半日おもしろいように心地よく振り回された。指定された待合せ場所は、JR東京駅とくっついているデパート「大丸」の6Fにあるブックカフェ。ここは三省堂書店に併設されているカフェで、購入を検討している本を持ち込んでお茶しながら読んでもよいことになっている。やっぱり買うのやめようと思えば、カフェの脇にある本棚に置いていけばいいし、買うならレジに持っていけばいい。前にラジオか何かで紹介されていて一度行ってみたいと思っていたんだよね。とはいえ、コーヒーまでは手が出ても、食べながらまだ買っていない本をめくるのは、ちょっと気が引けてしまう感じ。とりあえず私は購入済み(それも青山ブックセンターのカバー)の本をめくりつつコーヒーをすする。

久々に再会し、近況などちらほらお話。しばらくすると、この方が今日のプランをざっくり説明しだした。日暮れまでのんびりお話するものとばかり思っていたので、しっかり練られたプランを提示されて恐縮するものの、その方の観たいもの、行きたい場所のようなので、心置きなくふりまわされることにする。久しぶりに会っても緊張感を抱かせないし、振り回されることに自然な心地よさが感じられるのも、きっとこの方の魅力なのだろう。私がムーミンなら、この方はスナフキンって感じかしら。私の人間関係には必ずしも名称は必要でない。昔はそういうことを大切にしていたし、昔出会った人には今もそういう心的距離の近さを感じる。ある時期を境にして、新たにそういう関係を築いていくことがどうもできなくなってしまったんだけど。後天性アレルギー発症みたいな。

さて、まずは大丸の12Fにあるミュージアムのコシノヒロコ「襲かさね」展へ。その後、竹橋にある東京国立近代美術館へ行き、生誕120年を記念した「藤田嗣治展」を観賞。その後、神保町の岩波ホールまで歩き、映画「家の鍵」を鑑賞。この頃にはすっかり日も暮れ、階下にあるイタリア料理やさんで食事。若者のデートみたいにアクティブだ。といってもここで、半日でこんなたくさんのことができるのねぇ、人と関わりあうというのは新しい自分の可能性に出会っていくことなのねぇなんてしみじみ思うところがまったく若者的でない。ちなみに専門的なことは何一ついえないけど、足を運んだところはどれも秀逸。

もうここ何年も、ほどく意欲も体力もわかず、鎖に巻かれた気になって過ごしてきたけれど、強固に巻きついてはずれないと思い込んでいる錆びついた鎖も、そろそろ自分の手ではずしてみようと動き出す時期なのかもしれない。案外簡単にはずせるのかもしれない。それでもやっぱり、輝かしい日差しのもと心地よい風をいくら感じても、私の耳には鈍く鎖の音が響き続けて止まない。まぁ、ぼちぼち、行動範囲を広げて散歩にでも出かけてみようか。そんな気にさせてもらえた週末でもあった。

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