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2005-11-12

晩秋の六本木

私はたぶん3ヶ月に一度くらいのペースで夜の六本木に散歩に行っている。アクティブに「遊びに行く」んじゃなくて、限りなくパッシブに「散歩に行く」。

もうすっかり日が暮れてしまって、だけどさして日中どこかに出かけたわけでもないし、せっかくの土曜なのにこのまま一日が終わってしまうのも、どこかもったいない気がするなぁという夜に。

たいていは近所のコーヒーやさんに行って本を読んだりするんだけど、春夏秋冬に一度くらいずつ、もう少し遠出をしたくなって六本木の本屋さんまで足をのばす。なんで六本木かっていうと、単純に六本木の本屋さんならきっと夜遅くまでやっているんだろうという田舎者の発想なんだけど、夜どころか朝方までやっていて、人も当たり前のようにいっぱいいる。ビバ!六本屋&六本人。

しかし、今日はひどく泣きたくなった。なぜって、六本木ヒルズの木々がそこら中青くライトアップされていたから。昨年とまったく同じイルミネーション。あぁ、だめだよ、それは……と思う。今年の初めに亡くなった伯母と最後に会ったのは昨年の今頃で、この街だった。彼女と私はこの青い光の中で語らい、この青い光の中で別れた。彼女の溢れんばかりの笑顔に、もうすっかり元気になったのだと安堵していたのに、それが永遠のお別れになってしまった。

私はこの先何年だって、この街でこの青い光を見る度、彼女が最後に見せてくれた最高の笑顔を思い出して悲しくなるんだろうなぁと思いながら街を歩く。クラシックのCDを一枚、梨木香歩さんの文庫本「西の魔女が死んだ」と仕事の本を一冊買って、深夜らしくひっそり静かな電車に揺られて帰ってきた。

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