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2005-06-21

国際的な席の立ち方

先週の代休日は夜から友だちに会う予定で、平日の夕方新宿のオフィスビルに入っているスターバックスで本を読んでいた。隣では、外国人の男性がぶつぶつひとり言をいいながら英語のテストの採点をしていた。おそらく英会話スクールに勤めている先生なのだろう、と思う。

それにしても、あまりにぶつぶつ言葉を発しているので、気になって本も途中から手付かずに。きっと解答欄に、訳すと「俺様の耳は老婆の歳」みたいなわけのわからない英作文が書かれていて、「ぶはっ、オマエなんでこんな間違え方できるんだよ……」みたいな突っ込みをいれているに違いない。あぁ怖い怖い。勝手に被害&誇大妄想しつつ、彼の採点が終わるのを見守った。

一通り採点が終わると、彼はふぃーっと一息ついてカバンから取り出したネクタイを締め始めた。これから出勤して、たった今ぶつぶつと採点したテストの結果を陽気な笑顔で受講者に返すのだろう。大変お疲れさまです。

ネクタイを締め終えると、彼はこれまでのひとり言から一段ボリュームをあげ、明らかに隣にいる私の方に向かって何か言葉をかけてきた。私はエイゴゼンゼンワカリマセンが、ネクタイしめた直後に胸元に手をあててちょっと得意げな表情で尻上がりな一文を投げかけているのだから、やっぱり「ネクタイ曲がってない?」とか「このネクタイ似合ってる?」とか、その類のことなのだろうと勝手に決めつけて「OK」と返してみた。よくわからないけど良かったみたいだ。

それにしても、「OK」ぐらいしか返せなさそうな私に、「OK」ぐらいしか返答のしようのないような質問をしていたのであろう外人さんを想うと、交わす言葉などなんだって良かったのかもしれないな、と思う。要は「よし、行くぞ!」と気合いをいれて席を立つためには誰かと何かを会話する必要があった、ということなんだろう。そして、それによって本当に気持ちよく席を立つことができたのであれば、なんだか人類みな兄弟という感じで、嬉しいですね。

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