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2005-06-12

バーバパパ

週末、恩田陸さんの「Q&A」を読み終え、引き続き江国香織さんの「きらきらひかる」を読んだ。前にこの人の短編集を読んで、「この人はずいぶんと難しい描写をするんだな、私にはまだ早いか……」と思ってしばらく間をおいていたのだけど、友人が「きらきらひかる」は読みやすいというのでちょっと手を伸ばしてみたのだ。うん、今のテンションにもちょうどよくマッチしてものすごく良かった(って、また曖昧極まりない感想だ……)。

私はもともと何かにレッテルを貼ることに対して強い抵抗感を感じるほうで、江国さんの作品にしても「今は」もしくは「今作は」合わなかったけれど、「私がもっと成長して時期がくれば」もしくは「他の作品であれば」合うのかもしれない、と都合のよいことを考える。そしてこういう体験をすると、ほんと安易にレッテルを貼って人生のおいしいところを味わい損ねてしまってはもったいないよな、としみじみ思う。

そんなことを書きながらも、きっとどこかでまだまだたくさんのレッテルを貼って、私は生きているんだろう。そう思うだけでも、あれもこれも……とボロボロ頭に浮かんでくる。自分はできていると思っていることほど滑稽に落とし穴に落ちているから怖いものです。

加えて、私は今回2作目でマッチしたけれど、たとえ「きらきらひかる」もムツカシイとか合わないと思ったとしても、それはやっぱり自分にとって合わないのであって、他の人にとってそうとは限らないことを知っておかないといけない。それは、友だちであれ、親兄弟であれ、恋人や夫婦であっても。その距離感とは関係ないところで個々に判断軸をもっているものなのだと私は思う。

万人に共通の物差しなどそうそうあるものじゃない。人がつくりだすものから受ける人の印象なんて、たいていはフワフワのモワモワなもので、人によって場合によって、また時が経過するごと自由奔放に変容していくもの、そもそも物差しをあてられるような形状ではないのだと思う。だから軽率な言葉で人が何かに出会う機会を奪うことはしたくない。自分が苦手なものを好きだったり自分が好きなものを大嫌いという人がそばにいる人生のほうが広がりがあって面白そうだし。ものにもよるけど……と締まりのない話。まぁ休日ですし。

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