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2005-06-24

先週と今週をつなぐ本

今週半ば、友人に「夜のピクニック」を郵送した。先週末会っておしゃべりしていた時に「面白かった」と話したら、「なんで今日もってこなかったんだ」と残念がられた本。その時はそれで終わっていたのだけど、週が明けて月曜をまたいだら、どうしても今週中にその本を彼女に届けたくなってしまったのだ。

というのも、彼女は今月いっぱいで会社を辞める予定で、今週月曜が最終出勤日だった。これまで勤めた会社に愛着があるのは話を聞いていてすごくよく伝わってきた。それでも自分の判断軸で考えたとき、今が決断のタイミングだということには彼女なりの確信があった。そういう思考や行動の取り方って、自分の数ヶ月前とそっくりなのだった。

だからそれと同じように、自分で決断したことに後悔はないんだけど、それとこれとは別で退職の際どうしても感じてしまった茫漠とした孤立感を、彼女もまた味わうのではないか、と勝手に不安に駆られてしまったのだ。これまで自分が日常を過ごしてきた空間、一緒に過ごしてきた仲間たちから離れていく瞬間、身の周りのあらゆるものがものすごい勢いで一気に自分から遠のいていってしまうような感覚を覚えた。

その感覚を思い出してしまったら、どうしてもすぐに本を届けたくなったのだ。先週末二人の会話で話題に挙がっていた本が、今週中に彼女の手元に届く。意味があるようなないような話なんだけど、先週と今週がこの月曜をまたいで確かにつながっていることを伝えてくれるはず、という自己満足。

時間はつながっているし、私は変わらずここにいるし、先週末に交わした会話は今週に引き継がれている。だからこそ、私は本を送るという行動を起こし、彼女の手元に本が届くのだ。たとえ自分の身に大きな変化が訪れても、その波がすべてを飲み込むことはなくて、変わらずそこにあり続けるものが確かにあるということを、私は形あるもので届けたかったのだと思う。

ちょっとセンチメンタルすぎて冷静に読むと気持ち悪いかもしれないけれど、人生にはそんなシーンもありますよね、ということで。彼女からは今晩驚きのメールが届いたけど、私がなぜいきなり「夜のピクニック」を送りつけたのか、彼女はその真意を当たり前のように汲み取ってくれていた。

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