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2004-07-15

その人が決めること

今朝駅で電車を待っていたところ、しばらくぼーっとしていたものの一向に電車のやってくる気配がないので、さすがの私もはたと気がついた。背中の方では反対方面の電車が一本二本と通り過ぎていくのに、私の待っている方は5分、10分と待ってもしーんと静まり返っている。

あれ?と思って電光掲示板に目をやると、電車のやってくる予定時刻をもう10分も過ぎている。にも関わらず、何のアナウンスもないのはどういうことだろう。もうすぐ電車がやってくるならば、このまま待機した方がいい。だけど、もしここからさらに15分以上待つのであれば、今ここで他の路線に移動手段を切り替える判断をする必要がある。今から移動を始めれば、違う路線に切り替えても会社に遅刻しなくて済むのだ。そういう状況だった。

とにかくすぐに状況を確認しなくてはならない。改札まで行ってしまうと電車が来た時確実に乗り遅れるので、フォームを離れずに駅員さんを探した。ずんずん、ずんずんと歩を進めて探しているうち、「電車が来ました」みたいな表示が点滅しだして、結局事なきを得て電車に乗り込んだ。ただ、それからしばらく、私はこの一件について自分の仕事と重ね合わせて考え込んでしまった。

今回10分以上の遅れが生じているのに一切のアナウンスがなかった。何分後に来るのかまったく予想がつかない状況だったので、私はどうすれば良いのか非常に困った。状況がわかれば今どうすべきかすぐ判断できるのにと。

一つの電車を利用している乗客の中にもいろんな人がいる。10分待とうが20分待とうがその路線でなければ目的地にたどりつけない人もいれば、10分は待てるが20分待つなら路線変更することで決まった時間に目的地までたどりつける人もいるのだ。それは、交通機関を運営している側が判断できることではなくて、適切な情報を適切なタイミングで開示することで乗客個々が判断することなのだと思う。その人の目的に適ったやり方はその人が判断すべきだし、私は仕事上でそういうサービスを提供したいなぁと思った。

仕事で多くのお客さんを相手にしていると、どうしても「うちの商品・サービスを利用している1顧客」としてステレオタイプに見てしまいがち。でも、乗客にも様々な状況があるように、どんなお客さんにもその人固有の考えや取り巻く環境があるはず。だから、こちらの情報を抱え込んで開示しなかったり、勝手に一つの判断をしてしまうのではなくて、お客さん自身にその人に合った判断をしてもらえるよう、適切な情報提供をしていくことがとても大切なのだなぁと思った。

仕事をしていく上では、ある面でお客さん全体を一くくりにして見ることが必要になるけれど、そちらばかりに偏ってしまうと、いつかどこかでお客さんの足を引っ張ってしまうことになる。本来は、お客さんが「指定時間までに目的地に到着する」目的を共有してこその交通機関だと思う。それでこそ、営利目的の組織が社会的に成り立つのではないかなぁと思う。ユーザ個々にキャリア支援をする仕事柄強く意識してきたことではあったのだけど、1乗客として実感をもってわが身を振り返るのに良い機会をもらったのかもしれないと思った。

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