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2003-06-30

合宿免許

2003年6月末日~7月前半にかけて、合宿で車の免許を取りにいったときの話。とにかく苦悩の日々だったので、文章にあまりまとまりがありませんが、お時間のあるときにどうぞ。

■2003/6/30(mon) 初日から疲労困憊

合宿初日。電車に乗って千葉県を南下。のどかな車窓を眺めながら、房総のとある駅に到着するまでは良かった。が、後はもうショッキングなことばかり。イメージとしては、教習所は刑務所、教官は看守、自分は囚人って感じである。気分は滅入る一方。ここで2週間以上暮らしてゆくことが本当にできるのだろうか。とても心配。とりあえず詳細は明日に持ち越し。今日は眠ります。

■2003/7/1(tue) 地獄の事情

合宿2日目が終わった。かなりきつい。いろんなことが本当にきつい。なんだか、冗談でなく精神がおかしくなりそうである。それに加えて、いつ帰れるのかわからない状況なのが一層私を追い込んでいる。

決してスケジュールがきついということではない。というか、スケジュールの問題を挙げるなら、無駄な時間が多すぎる。「合宿免許は時間をもてあます」という話は経験者の方から事前に聞いていたが、私は「夕方以降何もすることがなくなって、宿泊先で時間をもてあます」ものだとばかり思っていた。が、実際は違った。教習所内で時間をもてあますのだ。朝7時半のバスに乗り、宿泊先から教習所に向かう。バスに揺られて30分以上。やっとこさ教習所に着くと、その後は夜の8時半まで一切教習所を離れることができない。

といって、別段「合宿」に最適化されたスケジュールが組まれているわけでもない。通学生と合宿生、共用のスケジュールである。そのため、例えば自分がその日朝2時間、昼1時間、夜1時間の学科や技能を受けられるとすれば、それ以外の時間はただひたすら自習などして、教習所内で待機するほかないのだ。にも関わらず、合宿生は朝7時半宿泊先発、夜8時半教習所発の送迎バスにしか、原則として乗車を許されない。その日がどんなスケジュールであれ、朝早く起きて、夜遅く帰るしか道はないのだ。

それなら教習所の近所で暇をつぶせば?という話になるが、それもまたできないのだ。合宿生の場合、学科スケジュールは予め決まっているが、技能の方は1日ごとにその日自分が教習を受ける時間帯が貼りだされる。朝それを確認して、「今日は何時~何時までは暇」というのが一応わかるようにはなっている。が、それに頼って「あとは夜までスケジュールが空いているから」と途中教習所を離れてしまうと大変なことになるのだ。当日他にキャンセルが出たりすると、常に所内にいる合宿生の教習が急に前倒しにされたりするので、合宿生はその急なスケジュール変更に対応できなければならないのだ。

それは突然所内の放送で告知される。この呼び出しに気づけなかったら終わりだ。いつのまにか自分のスケジュールが変わっていて、夜に予定されていたはずの技能が昼に変わっている。こうなると、いくら当初の予定どおり受付にやってきてもその日の受講はできなくなる。それどころか、変更後の教習を自己都合でキャンセルしたという扱いになり、キャンセル料をとられるのだ。教習所内にいたとしても、居眠りなどしていて呼び出しの放送を聞き逃したら同じことである。なんと恐ろしいことだろう。

というわけで、そもそも外出しようにも教習所は山の中、コンビニ行くにも徒歩30分というところなので、私は所内の待合室でおとなしくしている。その環境がまた劣悪。ハエ、あり、蚊、クモがうようよしていて全く落ち着かないのだ。それでもとにかく教科書を読む。そうしていると、周囲からいろんな話し声が聞こえてくる。これがまたブルーになる話ばかり。

合宿って通学より評価の甘いものだと思っていたが、皆とことん落とされている様子。最短で半月で終わるコースなのに、1月たってもいまだ帰れず今日であきらめて家に帰る人の話、試験に4回落ちた人の話に、教官の悪口やらこの環境の愚痴の数々・・・。

気分はどんどん下降してゆくばかり。私はいつ帰れるんだろ。早く帰りたい。

■2003/7/4(fri) 慣性の法則

人間、なんだかんだと慣れるものですね。ここでの生活に少し慣れてきている自分にふと気づきました。ここへやって来た日なんて、ほんと帰ろうかと思いましたが、「実は負けず嫌いで意地っぱり」な性格が表目に出て、どうにかこれまでやってきました。そうするとやっぱり、時とともに当初の痛みは少しずつ和らいでくるもので。長居したくない気持ちは全く!変わりませんが、「早く帰りたい」から「合格して早く帰りたい」に気持ちが移りゆく感覚を味わっていたりもします。人って強い生き物だなぁと感心してしまいます。

こんなことを思ったのは、私の2日後に入所してきた5、6人のうち、3人が入所当日か翌日に引き返してしまったから。要は「想像と違った」「こんなとこでやりたくない」ということなんですが、まぁ気持ちはよくわかります。決断するならそのタイミングでしょう。5日もすれば感覚も麻痺するもの。それが良いことか悪いことかはわかりませんが、個人的には、そんなんでも「とりあえず頑張ってみよう」と取り組んでみることで、後から振り返ってみれば、そこでしか得られない経験や思いがけない財産を得ることにもなるんではないかなぁと思うわけです。行き着くところは、やっぱり楽観主義な私です。

とはいえ、私も1月もここに足止めされたら、さすがにここを離れます。宿泊費もバカにならないし、この環境で1月暮らすというのはさすがに想像しがたい。そもそも合宿の意味がない。1月っていうのは極端だろうと思われるかもしれませんが、実際そういう人たちにここで複数お目にかかっているので、現実問題なわけです。合宿って、通学より少しは甘めに評価してくれるのかと淡い期待を抱いておりましたが、全くそんなことはないようで。容赦なく落とされ容赦なく延泊。うー、恐ろしい。

程よい慣れに留めて、1日も早く合格しておうちに帰れますように。

■2003/7/5(sat) つまづき

普通免許の教習というと、数年前までは確か四段階に分けて実施していたと思うが、現在はニ段階に分けて行っている。一段階では学科と教習所内での技能、ニ段階では学科と路上での技能がある。各段階の終わりに学科と技能の試験がそれぞれ設けられており、一段階のゴールは修了検定合格(仮免許取得)、ニ段階のゴールは卒業検定合格だ。卒業検定に合格すれば、合宿は終了。あとは免許センターかどこかに行って最後の学科テストを受験、これに合格すればゴールインである。

私が今どの地点に位置しているかというと、一段階のみきわめ。一段階では、学科の授業をすべて受講した後に「修了検定前テスト」という試験があり、これをクリアすると、技能の方の「みきわめ」が受けられる。これまで技能で学んだ「進路変更」「S字・クランク」「坂道発進」「踏切」など一通りを披露して、「修了検定を受けていいぞ!」という教官のお墨付きをもらうのだ。これをクリアすると、翌日修了検定(技能)と仮免試験(学科)が受けられる。それに合格すれば、その翌日からニ段階だ。

私は、ここまでどうにかストレートでやってきたのだが、今日このみきわめで落っこちてしまった。愚痴をこぼすなら、各教官の教え方が個性の域を越えていて、教える要素もその内容も大きくズレがあるため、「それ習ってないよぉ」ということをいきなりみきわめで「それやれなきゃ」と言われるのだ。で、とりあえずやってみるのだが、私の運動神経ではやっぱりできない・・・。後でそれをニ段階に進んでいる他の受講者に話すと、「そんなの習わなかったし、みきわめでも検定でもやらなかったよ」なんて言われて、一層めいる。せめてみきわめと検定でチェックすることぐらいは全教官で共通認識をもってほしい。

とはいえ、私はまだ被害の少ない方。教官は男ばかり。男性諸君は、かなりひどい目にあっているようで、受付に「誰々さんには教わりたくありません」と申し出る人もいるほど。愚痴ばっかり言っていて「ガキやねぇ」と悲しくなる輩もいるが、「そりゃ教わりたくないわなぁ」とかわいそうになる人もいる。ミスをすると嘲笑されたり怒鳴られたりするらしい。女性でも、「頼むから君は免許取らないでくれよ」とあきれ顔で言葉を吐き捨てられ、号泣してしまった人も。ニ段階まで進めといて、そりゃないわなぁ。私でも泣いてしまうわ。ちょっと教育現場とは思えない。

なんて、ここの教育のあり方を考えている余裕は情けないが今はないのだ。1回落ちれば、そのまま合宿日程が延びて延泊となる。宿泊費がかかるのも痛いが、何より早くここから脱したいというのが一番強い。この精神的苦痛を早く取り除かねば、心がもたない。すでに1日延泊決定。これ以上落としたくない。明日のみきわめ、頑張ろう!

■2003/7/6(sun) おめでたい

通過した!昨日落っこちたみきわめを今朝再挑戦。今日の先生は当たりで、私のできないところをとても丁寧にわかりやすく説明してくれ、最後に合格のハンコもくれた。嬉しい。こういうふうに教えていただけると、みきわめに落ちたのも私には必要な過程だったのかもしれないと思う。私っておめでたい。

最後に「ちょっと不安だけど・・・」と口にしながらハンコを押した教官の横顔が気にならないでもないが、ま、まぁ、明日の修了検定も力まず焦らず頑張ろ。

それに受かればお昼に仮免学科テスト。これがまた、たいそういやらしい引っかけ問題のオンパレードで非常に難しいらしいのだが、これに合格すれば一段階クリア。ニ段階の人は、皆口をそろえて「一段階までがきつい」と言う。うーん、合格したい!神さま、明日はどうかよろしくお願いします。

■2003/7/7(mon) 教育バカ

今日は七夕。だけど天気は雨。彦星さまと織姫さまは再会を果たせなかったのかな。いや、きっと私たちには再会する様が見られなかっただけだよね。

私は相変わらず山中で免許取得に奮闘中。今日は、修了検定(技能)を見事一発で通過し、その後の仮免試験(学科)にも無事合格。やっとこさ一段階を終え、仮免許取得に成功した。

休む間もなく二段階は始まる。といっても、試験の結果を受けてから3時間はひたすら待ちぼうけだったけど。今晩から二段階の学科に突入。その講義の中で、ちょっとショッキングな発言あり。

講義の最中に、教官がちょっと改まった感じで語り出したのだが、それを端的に言うと、「事故にあう人間というのはそもそも低レベルな遺伝子でできているわけで、そういう人が事故にあって亡くなってしまい、優秀な遺伝子だけが受け継がれてゆくのは自然の摂理だと思う。ただ、初心者が事故にあって死んでしまうと教習所の責任も問われるので、そうも言ってはいられない」

幸い?他の受講者にはその発言が重く受け止められていなかったようだが、もし彼が政治家だったら今ごろマスコミに袋叩きにされているような問題発言だったと私は思う。私がこの教習所の事務局だったら、絶対にレッドカードで警告しているだろう。何を思うのも自由だし、その人にだってそう思うまでにそれなりの経緯があったのだろうとは思うが、教壇に立って教官が受講者に何をどのように話すべきか、もっと真剣に考えるべきだと思う。私が過敏すぎるんだろうか。

そんなこんなで2時間講義を受けて、長い一日が終了。明日からは二段階の技能、路上教習も始まる。私が一般道を走って大丈夫なんだろうか。それも教習所を出るといきなり山道・・・。まぁ、どうにかするしかない。というわけで、後半戦も頑張ります。あぁ、早く帰りたい。

■2003/7/8(tue) 路上教習

今日から路上教習。やっぱり所内より路上を走る方が断然面白い。時間があっという間に流れてゆく。まだ身体全体に力みがあって、今日の「夜間&雨天&山道」などかなりぎこちなかったが、まだまだ路上初日。一段階に比べれば二段階は教官のハンコももらいやすいようなので、以降は卒業検定までストレートでいけるよう頑張ろう。7月中旬には学校の試験を終えた学生さんが教習所になだれ込んでくるらしく、教習所としては今いる私たちを早く追い出したい様子。この追い風に乗ってスイスイーと脱出だ。

■2003/7/10(thu) 鍵を紛失

今日は朝からドタバタだった。ホテルの部屋の鍵をなくしてしまったのだ。昨日の晩、いつも通り自分で鍵を開けて部屋に入り、いつも通りテレビの台に乗せて眠ったつもりだったのに。探すところなど限られているごく小さなシングルルームなのに。なんで私はこんな小さな部屋でものを無くすことができるんだろうか。ほんとあきれてしまう。

朝ごはん抜きであちこち探してみるものの結局見つからず、とうとう出発時刻になってしまった。仕方なくフロントに行って鍵を紛失した旨伝えると、ちょっと困り顔で、帰るまでに新しいのを用意してくださると言う。私は「戻り次第また探してみます」と詫びて、ひとまずホテルを後にした。

夜ホテルに戻ってくると、別のフロントの方が何事もなかったかのように私に鍵をくれた。新しいのを作ってくれたのならその費用はお支払いしないとなぁと思い、その方に朝の事情を説明する。すると、その方は鍵をじぃっと見つめて、とくに新しい鍵ではなさそうだと言う。確かに、カードの表面には古傷が多々見られる。どういうこと?

そこでフロントの方が私の部屋のキーボックスにあるメモを発見した。それによると、どうやら私、昨晩部屋の鍵をドアにさしたままで眠りについてしまっていたらしい。それに気づいたどなたかがその鍵を抜いてフロントに届けてくれていたようだ。まぁ、なんとありがたい。まぁ、なんて無用心な・・・。当たり前だが、全く記憶がない。

事件事故の絶えない今日この頃。もっと気を引き締めねば。反省、反省。

■2003/7/15(tue) 出所

なんだかんだと頑張っていたら、一昨日の学科試験、昨日のみきわめ、今日の卒業検定と全部ストレートで合格してしまった。やったぁー。というわけで、今日のお昼に無事出所し、自宅に帰ってきました。いやはや、大変な2週間半でありました。とりあえず明日免許センターに行って、最後の学科試験を受けてきます。千葉県って、学科試験が全国でも1位2位を争うほど難しいらしいのですが、とりあえず1回で免許取得できるよう頑張ってきます。何はともあれ、合宿から解放されてほっと一息です。

一緒に勉強したコたちの話、教官の話、この間に思ったこと、考えたこと、書き損ねていることは多々ある気もするんですが、とりあえず合宿の件はここでおしまい。今は卒検に受かっておうちに戻ってこられたことの幸福感で、胸がいっぱいです。

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